福山雅治 初めて父を歌う 17歳で死別「AKIRA」名前そのまま曲名に

[ 2020年10月22日 05:31 ]

新アルバムに初めて父を歌った曲「AKIRA」を収録する福山雅治
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 歌手の福山雅治(51)が、初めて実の父親を題材に曲を書いた。曲名は父の名前をそのまま取った「AKIRA(アキラ)」で、12月8日発売のアルバムに収録。アルバムのタイトルも「AKIRA」に決めた。「この曲で僕自身の死生観を描くことで、表現者としてさらなる一歩を踏み出せるのではないか」と話している。

 「“生”を歌うなら、そこにリアリティーを持たせるために“死”というものと正面から向き合う作品をつくりたい」。福山はこれを90年のデビュー当時からひとつの目標とし、課題にもしてきた。だが、人生経験や表現技法が「まだそれをなし得る水準に達していない」と自己評価し、長くちゅうちょしてきた。

 そんな福山も今年でデビューから30年。キャリアを積み、年齢も重ねた。新アルバム制作にあたり「“死生観を描く″ということにフォーカスを絞り、焦点をハッキリさせたい」と覚悟を決めた。

 その自身の死生観に最も影響を与えたのが、父の死だった。父は福山が17歳の時、50代前半で他界。高校生だった福山にとっては、言葉で表せないほど大きなショックを受けた出来事だった。自分自身が、父が他界した年代となった今、再び父の死と真正面から向き合い「命とはどこからきてどこへいくのか」などと自身に宿る死生観を詞で表現した。

 父はもちろん、福山が歌手という職業に就いたことを知らない。福山は過去にスポニチ本紙の取材に「折に触れて、父ちゃんが生きてたら自分の生き方をどう思うのかな、と考える」と明かしている。永遠に答えは出ないが、頭の片隅にはずっと父への思いがあった。

 「父との別離について、30年かかってやっと書きだすことができた。ただ、これで完結するのではなく、この楽曲は僕自身の死生観をさらに深度深く表現する“始まりの歌″」と福山。51歳にして、新たな表現の扉を開いた。

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