王将戦挑戦者決定リーグ 豊島竜王「簡単に勝たせてくれない方が集まった」広瀬八段「時代を感じる」

[ 2020年9月20日 05:30 ]

第70期王将戦 挑戦者決定リーグ

豊島将之竜王(右)と広瀬章人八段(撮影・MEGUMI)
Photo By 提供写真

 【全員タイトル経験者!最強対談(2)】将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグは22日の藤井聡太2冠(18)―羽生善治九段(49)戦で華々しく幕を開ける。渡辺明王将(36)=名人、棋王含め3冠=への挑戦権を争う7人は今期も棋界を代表するトップ棋士ばかり。激戦を前に対談形式で意気込みを聞いた。第2回は豊島将之竜王(30)と広瀬章人八段(33)。

 ――所属が豊島竜王は関西、広瀬八段は関東。対局以外では顔を合わすのは?

 豊島 ほとんどないです。(初対面は)奨励会4級くらいの時。合宿みたいので1回指してもらったんですが。

 広瀬 それ、全く覚えてない。豊島さんは真面目だけど、私は真面目じゃなかったし(笑い)。

 ――それは意外。

 広瀬 真面目じゃないところは昔を知っている人が証言してくれると思います(苦笑い)。

 豊島 広瀬さんは鷹揚(おうよう)というか、おおらかな方ですね。

 広瀬 あまり気を使わないでいいですよ(笑い)。

 豊島 将棋では切れ味鋭い印象。一気にすぱっと切る前にためるところが特徴的で。

 ――広瀬八段から見た豊島竜王は?

 広瀬 とにかく謎に包まれている。昔は棋士室にもよく顔を出していたのに、ある時期を境に来なくなった。本当は聞きたいことがたくさんある。

 ――王将戦ではともに挑戦者の経験がある。

 豊島 挑決リーグでたぶん5勝くらいしないと挑戦できない。始まったときはそういうイメージを持ってなくて、たまたま挑戦できた感じです。

 広瀬 去年は挑戦できましたが、明らかに藤井(聡太七段=当時)さんに注目が集まっていて、藤井さんのタイトル戦出場最年少記録を阻止できたらいいと、自分のことは二の次でした(笑い)。

 ――その藤井2冠については。

 豊島 どんどん時間を使って残り10分を切ったあたりから時間があまり減らず、大きなミスなく最後まで指し続ける。

 広瀬 (この一年で)何が変わったのか本人も分からないのでは?弱点とは言えない弱点もだんだん埋まってきていますね。

 ――さて、挑決リーグも開幕間近。意気込みを。

 豊島 このメンバーを相手に4勝とか5勝できたら自信になります。新しく入られた方(永瀬拓矢2冠、木村一基九段、佐藤天彦九段)が、粘りというか簡単に勝たせてくれない方が集まったという印象です。

 広瀬 私は3年連続ですが、(メンバー構成が)どんどん若返って、気がつくと自分が真ん中より上。そういうところで時代を感じることが多くなりました。

 豊島 初めから挑戦とか5勝とかを狙うとあまりイメージが湧かないので、まずは残留、3勝、4勝を目指していく方がいいかなと。

 広瀬 最近、対局が全然なかったのでリーグがあってよかった。とにかく実戦を増やしていい時の自分に戻したい。このリーグがそのきっかけになればいいなと思います。(構成・我満 晴朗)
 
 ◆豊島 将之(とよしま・まさゆき)1990年(平2)4月30日生まれ、愛知県出身の30歳。桐山清澄九段門下。2007年四段、11年王将戦でタイトル戦初出場。18年棋聖戦で悲願の初タイトル獲得。タイトル通算は4期。
 
 ◆広瀬 章人(ひろせ・あきひと)1987年(昭62)1月18日生まれ、東京都出身で札幌市育ちの33歳。勝浦修九段門下。2005年四段、10年の王位戦でタイトル戦初出場し初獲得。18年は竜王位も獲得した。

 ※インタビュー全文は20日正午配信のlivedoorNEWSに掲載

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2020年9月20日のニュース