藤井聡太七段 最年少タイトル挑戦決定!渡辺棋聖との5番勝負へ「1勝でも多く勝てるようにしたい」

[ 2020年6月4日 19:45 ]

<棋聖戦決勝トーナメント決勝>永瀬拓矢2冠を下し会見する藤井聡太七段(撮影・河野 光希)
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 将棋の第91期棋聖戦決勝トーナメント決勝が4日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、藤井聡太七段(17)が永瀬拓矢2冠=叡王(えいおう)、王座=(27)を下し、8日開幕の5番勝負で渡辺明棋聖(36)=王将、棋王との3冠=と対戦することが決まった。タイトル戦初出場となる藤井は8日で17歳10カ月20日。屋敷伸之・現九段(48)が持つタイトル戦出場最年少記録(17歳10カ月24日)を4日更新することになる。

 「タイトルに挑戦することが出来てうれしく思います。最年少記録は自分としては意識していなかったのですが、結果的にそういう形になって良かった。渡辺3冠は充実されている相手。1勝でも多く勝てるようにしたいです」

 藤井と永瀬は公式戦での対戦は今回が初めてだが、3年前にabemaTVが企画し、当時新人の藤井が羽生善治九段ら現役トップ棋士7人と対戦する非公式戦「炎の7番勝負」で一度対戦し、唯一の黒星をつけたのが永瀬だった。現在は練習将棋を頻繁に指すなど深い交流がある2人。タイトル戦出場を決する大舞台で両者初手合という運命的な対決だった。

 振り駒で後手を強いられた藤井は序盤に指された永瀬の新手に対し、早く大量の時間を消費。中盤も鋭く踏み込まれ場面がありながら、徐々に対応し勝利につなげた。

 198日前の屈辱を晴らした。19年11月19日。場所も同じ将棋会館の特別対局室。大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグで4勝1敗同士の対戦となった最終局。最終盤で広瀬章人八段を追い詰めながら、応手を誤って悪夢の逆転負けを喫した。勝っていれば当然ながら屋敷の記録を軽く上回っていた。大魚を逃した藤井だが、最後の更新チャンスだった今回の棋聖戦はそのてつを踏むことはなかった。半年の時を経て、天才少年は周囲の予想を超える成長ぶりを見せつけた。

 5番勝負開幕戦を中3日で迎えるハードスケジュールとなる藤井の次のターゲットは、これも屋敷の持つタイトル獲得史上最年少記録(18歳6カ月)の更新となる。

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