爆問・太田 SNSへの誹謗中傷に「これが自分の世界のすべてだっていうのは錯覚」

[ 2020年5月31日 12:27 ]

お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光
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 爆笑問題の太田光(55)が31日、TBS系「サンデージャポン」(日曜前9・54)に出演。SNS上での誹謗(ひぼう)中傷に対する考えを語った。

 23日に女子プロレスラーの木村花(きむら・はな)さんが22歳の若さで死去。フジテレビがネットフリックスとともに放送していた「Netflix」恋愛リアリティー番組「テラスハウス」の最新シーズンに出演中だった木村さんは、番組での言動が原因で、SNSを通じて激しい誹謗中傷を受けていた。番組でもこの件について取り上げた。

 太田はそもそも「SNSがそんなに辛かったらなぜ止めないの?って思う」と素朴な疑問をぶつけつつ、「携帯なんか捨てちゃえばいいのにって思うけど、我々の世代とは違うんだよね、若い人って」と指摘。スタジオのモデルでタレントの藤田ニコル(22)らはこれに大きくうなずいた。

 さらに、今回の件について「木村さんの状況って、集団イジメの真っただ中にいたこと(と同じ)。中学校などでこういうことが起きると、学校なんか行かなくていいって言う。学校から逃げろ!って言うけど、彼女の場合は社会に出ていて、番組にも出ていた。そういう意味で言うと、そこからどうやって逃げればいいか、分かりづらかった」と私見。太田自身も「テラスハウスは大好きで、何シーズンか、見ているんです」と明かし、「年ごろの男女が恋愛がらみで共同生活したら、それはまず精神的なバランスは崩しやすい状況にある」と指摘。「(出演者は)そこが自分たちの全部の世界だって思い込みやすい。それとともに、その先にスタジオに受ける人たちがいて、その先にSNSがあって、その先に視聴者がいて、その先に世界配信と何重構造にもなっている。今自分がここにいる環境が世界のすべてだって、思い込みやすい状況にたまたまなっちゃっていた。ここから逃げるのは相当難しかったと思う」と推測した。

 その上で「外側にはもっと広い世界がある。自分がいる状況はその世界と比べたら米粒みたいなもので、固定される状況じゃないってことを分かってほしい」。「これが自分の世界のすべてだっていうのは錯覚」とし、「この錯覚というのがないと人間は生きていけない。恋愛でも、この人好きだと思ってラブラブになっても、別れた後に“何であんな人と付き合ってたんだろう”ってなる。実は錯覚なんですよ。その錯覚が人を殺したり、人を生かしたりする。リアリティーとか誹謗中傷は違うと分けるのではなく、同じ場所にある。人を生かすものも、殺すものも同じもの。それが分かっていないと、そこから離脱するというのは若い子なんか難しいと思う。ましてや、コロナで家にいなさいっていう(外出自粛の状況だ)と、彼女はあの番組を見て、SNSを見ていて、その中で、これが全部だって思っちゃった」と推察。「錯覚というのが難しいということをまず理解してほしい」と訴えた。

 リアリティーショーという番組の特性もあり、「視聴者も出演者も制作者もみんな1個盛ってそれぞれが演じている部分がある」とも。「そこで盛り上がって、エンターテイメントをしていた部分もあるから、そこが気付くのが難しい。木村さんのように追い詰められた場合は、思い切って自分が信じている世界を捨てるという、死ななきゃいけないぐらいだったら、テレビだって捨てていい。SNSだって覚悟はいるかもしれないけど、捨てちゃえばいい」と呼びかけた。

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2020年5月31日のニュース