「エール」朝ドラ異例の主演登壇試写会なし 新型コロナ対策で小規模に 窪田正孝コメント「テンポがいい」

[ 2020年3月21日 18:00 ]

次期連続テレビ小説「エール」の主演・窪田正孝とヒロイン・二階堂ふみ(C)NHK
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 俳優の窪田正孝(31)が主演を務める次期NHK連続テレビ小説「エール」(3月30日スタート、月~土曜前8・00、土曜はダイジェスト)は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、主演(ヒロイン)が登壇してドラマをPRする恒例の第1週試写会&会見を行わず、小規模試写会を18~21日に6回実施した。異例の対応を強いられたが、現在、撮影は感染予防策を徹底し、スケジュール変更などの支障もなく順調に進んでいる。窪田は同局を通じてコメントを発表。「主人公の裕一が生まれて喜ぶ古山家まで登場人物のキャラクターが際立っていて、何よりテンポがすごくよかったです」と第1週の出来栄えに手応えを示した。

 朝ドラ通算102作目。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909~1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・関内音(二階堂ふみ)の夫婦愛を描く。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(39)以来、約6年ぶり。

 東京制作の朝ドラ第1週や大河ドラマ第1話は例年、NHK局内の100席近くある試写室に報道陣を集め、お披露目。試写後には主演らが登壇し、質疑応答。ドラマ開始に向け、出来栄えをアピールする。

 しかし今回の「エール」は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、人が密集する通例の試写会&会見を行わず。参加者10人程度の小規模試写会に変更し、計6回実施。参加者は約30席のイスに間隔を十分空けて座る徹底ぶりで、試写後には制作統括の土屋勝裕チーフプロデューサー(CP)らが質疑に応じた。キャストの登壇はなかった。

 土屋CPによると、今のところ、撮影スケジュールの変更など、新型コロナウイルスの感染拡大による支障はない。「うがい・手洗い、アルコール消毒、マスクなど感染症対策を徹底しています。大人数で行っていた美術発注の会議なども必要最小限に減らしています」と明かした。

 主演の直接PRの場はなかったが、第1週の仕上がりは上々。朝ドラ史上最古(?)の紀元前1万年から物語が始まる前代未聞の異色オープニングや、二階堂に“激似”の清水香帆(11)ら子役も躍動。主人公が音楽と出合い、目覚める過程が明るく描かれる。

 窪田は同局を通じてコメントを発表。「第1回の冒頭から、軽快かつコミカルに“はるか昔から音楽がいかに人生の中に存在しているか”を描いていて、大きなインパクトがありました。そして、主人公の裕一が生まれて喜ぶ古山家まで登場人物のキャラクターが際立っていて、何よりテンポがすごくよかったです。第2回以降も、子どもたち独特の純粋だからこそ、周りに少しいじわるをしてしまうという人間関係の描き方が丁寧で、また、幼少期を演じる皆さんの演技が本当に素晴らしくて、正直、衝撃を受けました」と子役たちを絶賛した。

 コント番組「サラリーマンNEO」や朝ドラ「あまちゃん」、映画「探偵はBARにいる3」などを手掛けたチーフ演出の吉田照幸監督も「オリンピックイヤーにオリンピック・マーチを作曲した男の物語。お!分かりやすいぞーとたどってみると、これが紆余(うよ)曲折の激しい人生。ならば困難を乗り越えた男らしい男なのかと思いきや、オタク気質の小心者。なのに人を引き付け、前人未到のことをやってのける才能。これだけでも予想外なのに、結婚した妻は、これまたこの時代にいたのかっていうくらい自分の考えをしっかり持った自由な女。こんな変な2人を窪田正孝と二階堂ふみが演じる。おもしろくないわけがない。普通なわけがない。変な人、意外な人も続々登場。コント仕込みの笑いと不意打ちの感動が入り混じった前代未聞のドラマが『エール』です。乞うご期待!」とメッセージを送った。

 昨年9月中旬にクランクインし、目下、第12~13週を撮影中。土屋CPは「撮影も先に進んでいますが、窪田さんと二階堂さんの2人は役になり切っています。魂が降りてきているなという感じがします」と順調ぶりを明かした。

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2020年3月21日のニュース