浜尾朱美さん 乳がんで死去 「ニュース23」元キャスター 10年以上前から闘病を続ける

[ 2018年9月15日 05:30 ]

89年、番組のPR会見で筑紫哲也さんと並び意気込みを語る浜尾朱美さん
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 TBSの報道番組「筑紫哲也ニュース23」などでキャスターを務めた浜尾朱美(はまお・あけみ、本名千葉朱美=ちば・あけみ)さんが14日早朝、乳がんのため都内の病院で死去した。57歳。徳島県出身。10年以上前から乳がんを患い、闘病を続けていた。

 故筑紫哲也さん(享年73)とともに8年間にわたってTBSの夜の顔を務めた浜尾さんが、静かにこの世を去った。89年10月の番組開始時から97年9月まで「…ニュース23」に出演。筑紫さんの指導を受けながら「私の母にも分かるように」と、視聴者目線でニュースを伝えた。

 83年にアナウンサー志望でTBSの入社試験を受けたところ、同局の連続ドラマ「おゆう」のプロデューサーの目に留まり、主人公おゆう役で女優デビュー。ドラマ2本に出演し、9カ月で女優業からキャスターへ転身した異色の経歴の持ち主だった。

 「関口宏のサンデーモーニング」で2年間サブキャスターを担当後、「…ニュース23」で筑紫さんとタッグを組み、親しみやすい雰囲気と豊富な知識、表現力に支えられた高いアナウンス力でお茶の間に人気だった。

 94年には33歳で「…ニュース23」にも関わっていた3歳年下のTBS報道局員の男性と“職場”結婚。99年には長男が生まれた。その後はテレビの一線からは退き、子育てに関する講演などを行っていた。12〜13年には京都ノートルダム女子大の客員教授を務めた。関係者によると、10年以上前から乳がんで闘病していたという。最期は入院していた都内の病院で息を引き取った。

 08年11月に筑紫さんが肺がんのため他界した際、浜尾さんはすでに体調を崩していた可能性があるが、弔問に駆け付け、報道陣に「私の知っている優しい顔でした」とひつぎの中の筑紫さんについて語り、別れを惜しんでいた。

 多趣味で競馬好きとしても知られ、96年に「夢のあと」、98年に「私の競馬」と2冊の著書を刊行。95年の武豊騎手(49)と量子夫人の結婚式では司会を担当した。TBSラジオ「待ったなし大相撲」にも出演するなど、好角家の一面もあり、幅広い分野で活躍していた。

 ◆浜尾 朱美(はまお・あけみ)1961年(昭36)1月20日生まれ、徳島市出身。早大第一文学部卒。83年に女優デビューし、TBS「おゆう」「青が散る」に出演。85年テレビ朝日「おはようTODAY」でキャスター転身。司会やコラム執筆、講演など多方面で才能を発揮した。

 <今年8月にはさくらももこさんも> 芸能界で乳がんを経験した著名人は多い。フリーアナウンサーの小林麻央さん(享年34)は闘病の末、昨年6月に死去。女優の藤山直美(59)や南果歩(54)、タレントの北斗晶(51)、生稲晃子(50)らが乳がんを公表している。今年8月には漫画家のさくらももこさん(享年53)が亡くなった。

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