伊藤咲子 闘病で崩壊した家庭…離婚を乗り越え「もう一度」

[ 2016年5月22日 12:20 ]

「ひまわり娘」でデビューした伊藤咲子はひまわりの季節に行う歌手活動に向け意気揚々

大人の魅力 伊藤咲子(下)

 かつて「ひまわり娘」で人気アイドルとして活躍した伊藤咲子(58)は、「今は心から歌に感謝しています」と言う。オーディション番組「スター誕生!」でデビュー、その後、結婚、闘病、離婚などさまざまな出来事があった。再びステージに立つ喜び、サッコに笑顔が戻ってきた。

 そんな彼女が結婚したのは、89年。好きなゴルフで知り合った11歳年上の男性だった。歌手活動を休止して、パートナーが経営する飲食店を手伝っていたが、不幸にも病魔に襲われた。「子宮腺筋腫」。激しい痛みで立っていることもできない状態が続く。ある朝、腹部に違和感を覚え、触ってみるとテニスボールほどのしこりがあった。急性腎盂(じんう)炎も発症。このままでは全ての臓器を圧迫し危険な状態になる恐れもあった。

 「お医者さんからは子宮の全摘出を言われてましたが、決断がつかなかったんです。女性として子宮を失うことへの抵抗がありました。激痛を抑えるために一日3回薬を飲んで耐えました。それがもう何年も続いてましたね」

 自身の病気もあって家庭生活は崩壊寸前。手術したのは2000年、42歳の時だ。姉に「これからも痛みを我慢するだけの生活をするの」と言われた。術後、ベッドの上で最初に頭に浮かんだことは「もう一度歌いたい」。04年に離婚、今は会社員の男性と再婚し公私とも幸せな生活を送っている。

 西城秀樹、尾藤イサオ、小川知子、今陽子らとともに年間100回を超す「同窓会コンサート」も行っている。それぞれがヒット曲を歌うライブはいつも大盛り上がり。「昔は楽屋でおしゃれや恋愛話でキャーキャーしていましたが、最近はコンドロイチンや病院の話題でワイワイしてますね。でも、私は本当に歌に救われました」

 感謝の思いを胸に「ひまわり娘」もいつの間にか大人になった。もう一度あの歌を聴いてみたいなあ。

 ◆伊藤 咲子(いとう・さきこ)1958年(昭33)4月2日生まれ、東京都出身。日本テレビの「スター誕生!」で優勝し歌手デビュー。桜の季節に生まれたので、「花が咲く」との思いを込めて「咲子」と名付けられた。今年2月には、09年に亡くなった三木たかしさんの未発表曲に詞をつけた「プルメリアの涙」をリリース。

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