診療報酬不正受給で美女医逮捕 テレビで豪遊自慢も実際はカツカツ

[ 2016年3月10日 05:30 ]

警視庁麻布署を出る脇坂英理子容疑者

 暴力団組長らによる診療報酬不正受給事件で、美容クリニックでも診療報酬をだまし取ったとして、警視庁組織犯罪対策4課は9日、詐欺の疑いで、東京都世田谷区、医師脇坂英理子容疑者(37)ら2人を逮捕した。脇坂容疑者はテレビのバラエティー番組に出演し、ホストクラブに一晩で数百万円つぎ込むなど派手な暮らしぶりで知られていた。不正受給の一部は暴力団に流れていたとも見られており、“美人女医”の裏の顔が明らかになった。

 白衣姿に金髪、ネイル…。「年収は5000万円あるけど貯金はゼロ」「ホストクラブで一晩に900万円使った」「(男性経験は)4桁にいかないくらい」などと豪語し、華美な私生活を売りにしていた脇坂容疑者。この日、世田谷区の自宅から麻布署に連行された際は、ラフなニットにノーメーク。そこに美人女医の面影はなかった。

 逮捕容疑は2012年11月~14年9月、脇坂容疑者が経営していた千葉県船橋市の「Ricoクリニック」などで、患者14人を何度も診察したように装い、8自治体に診療報酬を請求し約155万円を詐取した疑い。

 警視庁は、脇坂容疑者らが12年8月~14年11月に計約6900万円を不正受給したとみている。正規の診療による受給はほとんどなかったという。ほかに、江東区の会社役員早川和男容疑者(39)=詐欺罪で公判中=ら2人を再逮捕した。脇坂容疑者は「弁護士が来るまで話しません」と供述している。

 脇坂容疑者はタレントとしてバラエティー番組に出演。豪遊ぶりを吹聴していたが、実際の懐事情は苦しかったとみられる。関係者によると、医療機器の高額なリース代と遊興費から資金難となり、同じビルで歯科医院を経営し、ともに逮捕された歯科医師重松武容疑者(58)=詐欺罪で起訴=の紹介で、不正を始めたとみられる。

 クリニックは12年6月に船橋市で開院し、その後、東京都目黒区に移転。14年に入ると休業状態になり、昨年5月に閉鎖した。患者への通知がなく、返金騒動も持ち上がっていた。周囲には「病院再開のため、5000万~6000万円を貸してほしい」と無心していたという。

 閉鎖の際に所属していた芸能事務所との契約も終了。昨年11月に詐欺グループが逮捕された際、脇坂容疑者にも捜査の手が及んでいるとスポニチ本紙では報じているが、周囲には「全く私は関わっていない」と弁明していた。閉鎖後は新宿区内の美容クリニックでアルバイトしていたという。収入は激減していたが知人は「ホストクラブには通っていた」といい、派手な暮らしはやめられなかったようだ。

 別の知人男性によると、脇坂容疑者は不正受給について「8000万円を得て、半分を仲介人に渡した」と明かし、男性が非難すると、強い調子で反論したという。男性は「あまりにも無知。世間を知らないお嬢さまだった」と振り返った。

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2016年3月10日のニュース