アンジャッシュ児嶋 俳優好評「照れくさい」も…作品形作る存在感

[ 2016年1月5日 10:00 ]

「ふなっしー探偵」でふなっしーとコンビを組むアンジャッシュ・児嶋一哉

アンジャッシュ・児嶋一哉インタビュー(上)

 お笑いコンビ「アンジャッシュ」の児嶋一哉(43)がフジテレビ「ふなっしー探偵」(7日後7・57)で刑事役を演じる。ドラマ初主演する千葉県船橋市の非公認キャラクター「ふなっしー」の相棒。昨年の映画「HERO」など、演技に定評のある児嶋だが、俳優業への高評価は「照れくさい」と謙遜した。

 昨年の民放ナンバーワンヒットドラマ、TBS「下町ロケット」でも芸人の芝居が注目された。児嶋も、黒沢清監督(60)の映画「トウキョウソナタ」(2008年)で演技を絶賛されてから、役者の仕事が相次いでいる。

 「芸人・児嶋一哉として、映画やドラマの現場にお邪魔させていただいている感覚ですかね。芸人というハードルで見ていただいているから『意外とイケるじゃん』とか言っていただけるだけだと思います。だから、すごく照れくさいんですよ。『お芝居、うまいですね』と言っていただいても『いやいやいや』としか答えられないですね」

 謙虚に語る一方、俳優としての芸人のライバルを問うと「(ドランクドラゴンの)鈴木拓ですかね。アイツ、同じ事務所で、最近、朝ドラの『まれ』をはじめ、いろいろ出ているんですよ。『セリフはこうやって覚えたらいいですよ』みたいなことをオレに言ってきて。ちょっと意識し始めましたね」と笑いを誘った。

 今回はふなっしーに、世間には知られていない別の顔(探偵)があるという設定。児嶋が演じるのは芝臨海警察署の刑事・平塚平助。ふなっしーは代々警察官の平塚家に協力している。物語は、東京都内で連続爆破事件が起きるところからスタート。犯人から爆破予告が届く中、ふなっしーと平助は事件解決に挑む。サスペンスだが、ふなっしーの魅力を生かし、ファミリーで楽しめるストーリーが展開される。

 ふなっしーとのドラマ共演が決まり「珍しいな、おもしろそうだなと思いました」と児嶋。ただ「表情があまり分からないから、その辺のやりにくさがあるかもしれないと思ったんですが、全くなかったですね。逆に間を埋めてくれたりとか。ふなっしー、天才ですね。苦労はあまりなく、楽しくやれました」と撮影を振り返った。見どころの1つが、ふなっしーによる「児嶋イジり」。数カ所ある2人が暗号を解くシーンはアドリブが多かった。

 数々の作品に出演したが、俳優の仕事はいまだに難しいという。「監督さんやドラマの内容によって芝居のテイストも全然、違いますし。昔はコントは大げさに、お芝居はリアルに、と思っていましたが、コント寄りのドラマもありますし、抑えた方がいい世界観もあります。あまり決めつけるのも違うなと思うようになりました」と心構えに変化。

 「そのチームがどういう感じでやっているのか、うまく溶け込めるように、というのは考えています。後から作品を自分で見て、このチームの芝居の感じにオレ全然合ってなかったなとか、変に抑えすぎたなとか。そういうのは意識しますね。今回は、ふなっしーとのドラマだから、あまりシリアスに抑えた芝居をしても、たぶん違うだろうなというのは何となく感じたので。コント芝居に近い感じでやってみようかなと思いました」と微調整し、ギリギリのところを突いた。

 児嶋の起用理由について、共同テレビの森安彩プロデューサーは「本職の役者さんが芝居を作り込みすぎると、ふなっしーの自然体のよさと消し合ってしまう感じですが、児嶋さんはすごくいい温度感」と説明。「ふなっしーと児嶋さんの立ち姿、2人の掛け合いを想像して、作品の世界観が固まりました」と児嶋の存在の大きさを明かした。

続きを表示

この記事のフォト

2016年1月5日のニュース