又吉に高評価 絶対に芥川賞を獲るべき作品…2作目以降が重要に

[ 2015年2月24日 10:30 ]

真剣な表情で答えるピース又吉
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 又吉は不況と言われる文学界の救世主になりうるか。大手出版関係者は「子供や女性を含め、又吉さんのことを知っている人は多い。題材としても取っつきやすいし、売れる要素がそろっている」と高く評価した。

 ただ、芸人との二足のわらじということで業界ではフラットに見ない関係者もおり、「思ったより悪くない」と“上から目線”の評も多いという。今後、それを覆すためにも「2作目以降、全く違う題材で何を書くかが重要」と指摘した。

 ▼中森明夫氏(作家、コラムニスト)ここまでの衝撃は柳美里さんか町田康さん以来。純文学は読みにくいということがあるが、まず文章が素晴らしい。一文、一文ヒリヒリします。今の若手芸人がリアリティーを持って痛いほど分かる。又吉さんが、いかにお笑いを本気で考えているかも分かる。芥川賞は石原慎太郎さんの「太陽の季節」で有名になったが、青春小説ということでも絶対に芥川賞を獲るべき作品。「火花」が100万部売れると文学界の何かが変わる。

 ▼市川真人氏(早稲田大学准教授、文芸批評家)登場人物同士の会話が生き生きと巧みなのと、全体に哀愁を漂わせている構成の妙が良かった。新人作家としては十分に水準以上の作品だと思います。あらかじめ多数の読者を持つ作家の登場は大いに喜ばれるでしょう。芥川賞候補に挙がることは十分あると思いますが、受賞するかどうかは他の候補作との比較にもよります。又吉さん自身が「賞などどうでもよい」と思っていれば、よい作家になるはずです。

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