健さんが“語る”終戦の記憶 作品集「私の…」来夏復刊に追加

[ 2014年12月21日 05:30 ]

 国内の著名な漫画家らが、終戦の日の記憶をイラストや文章で表現した作品集「私の八月十五日~昭和二十年の絵手紙」の復刊に、東京都国立市の出版社「今人舎」が取り組んでいる。新たに作者が朗読した文章も聴けるようにし、戦後70年となる来年夏の再出版を目指す。趣旨に賛同した俳優の故高倉健さん(享年83)の作品も追加される予定だ。

 健さんの作品は「日本が戦争に負けたらしいばい!」というタイトル。終戦の日、友人に呼ばれて寺に行くと大人たちの何人かが泣いており、友人から戦争に負けたことを聞かされた。「人生が変わる一瞬。諸行無常。この時が、初めての経験だったような気がする」などと記している。

 作品集は、日本漫画家協会常務理事の森田拳次さんが「表現する手段を持っている漫画家が、戦争の記録をしっかり残そう」と発案した。

 声でも聴いた方が心に迫ると考え、ペン型の音声再生機でページをタッチすると、作者本人の朗読が聴ける仕組みも新たに加えることにした。

 健さんが生前に朗読し、録音したMDは、8月21日に今人舎に寄贈された。健さんらしいゆっくりとした力強い口調で語られており、復刻版でその声を聴くことができる。

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2014年12月21日のニュース