反原発譲れん…咽頭がんの坂本龍一、放射線治療は拒否

[ 2014年7月10日 08:00 ]

がんを患っていることが分かった坂本龍一

 世界的音楽家の坂本龍一(62)が中咽頭がんの治療に専念するため、演奏活動を全面的に休止することが9日、分かった。咽頭がんに効果があるとされる放射線治療については、反原発運動の先頭にたってきた立場から拒否する考えを主治医に伝えている。自らの命にかえても「反原発」だけは譲れないという不屈の精神で、世界の“教授”が闘病生活に入る。

 咽頭がんの治療は、手術のほか、抗がん剤などが用いられるが、坂本がどのような治療法を選択したかは不明。ただ、喉のがんに効果的とされる放射線治療については、反原発運動の先頭にたってきた立場から主治医に拒否する考えを伝えている。

 米アカデミー賞やグラミー賞を受賞し「世界のサカモト」「教授」と呼ばれる天才音楽家だが、40年以上前から反原発運動に参加し、反戦、環境保護など多くの社会問題に積極的に取り組んできた“反骨の人”でもある。2年前の脱原発集会では「たかが電気のために、なんで命を危険にさらさなければいけないのか」と呼び掛け、大きな波紋を呼んだ。

 人間の生命、生活と比べてどちらが大切なのかという意味で、あえて「たかが電気」と刺激的な言葉で問題提起した“教授”。「反対し続けなければ戦争も原発もなくならない」という信念のもと、放射線治療まで拒否する不屈の闘病は、国内外に強烈なメッセージを発信することになりそうだ。

続きを表示

この記事のフォト

2014年7月10日のニュース