林真理子さん「文壇体現する存在」、高樹のぶ子さん「見事な作家人生」

[ 2014年5月5日 19:12 ]

亡くなった渡辺淳一さん

渡辺淳一さん死去

 ドラマ化・映画化もされた「失楽園」などで知られる直木賞作家の渡辺淳一(わたなべ・じゅんいち)さんが4月30日死去した。

 ▼作家の林真理子さんの話 渡辺淳一先生を失った痛手は、私たち後輩にとって言葉で表現し得ないほど大きい。華やかで、よく銀座に行く、そんな流行作家のイメージをつくった人だった。恋愛小説が大ベストセラーになる最後の作家でもあったが、自分でも「男と女の情痴を書くほど難しくて楽しいことはない」とよく話していた。まさに文壇を体現する存在だったと思う。出版不況といわれる中、渡辺先生が亡くなったことで、華やかな文壇が本当に失われてしまったと実感します。ショックです。

 ▼作家の高樹のぶ子さんの話 たくさんの読者を持ち、最後まで現役を貫き、華やぎを失わなかった。1年半ほど前に作家仲間数人で食事をご一緒した際、私が「もし男に生まれていたなら、渡辺淳一先生のような人生を送りたかった」と話したとき、すごく無邪気にうれしそうな顔をしたのが印象に残っている。一人の男としても、たくさんの女性に愛され、愛した。自分の生き方を徹底して貫けば、みんなから愛されるということを証明するような、見事な作家人生だったと思う。

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2014年5月5日のニュース