震災、原発事故描く新作 倉本さん劇団が富良野で公演

[ 2013年8月10日 20:46 ]

 脚本家倉本聡さん(78)率いる劇団「富良野GROUP」の新作劇「夜想曲―ノクターン」の公演が10日、北海道富良野市の富良野演劇工場で始まった。東京電力福島第1原発事故後の福島県南相馬市周辺が舞台。初日は全国から多くの観客が詰め掛け、約300の客席が満席になった。

 劇は東日本大震災の津波で娘を失った主人公の前にピエロの彫刻が現れ、原発事故後、福島の人たちが言葉にできなかった本心を代弁する展開。倉本さんが大震災や原発事故を風化させてはならないとの思いを込めた。

 倉本さんは公演後、「忘れられることを少しでもストップさせたい」と話した。

 宮崎市から来た主婦児玉園子さん(57)は「メッセージが伝わってくる作品だった。被災地の悲しみや警告を抱えて生きることを教わった」と感動した様子だった。

 公演は12日までで、計4回。問い合わせは富良野演劇工場、電話0167(39)0333。

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2013年8月10日のニュース