渡辺謙 ヒグマ厳戒ロケ!電気柵に対処マニュアルも

[ 2012年10月25日 06:00 ]

映画「許されざる者」で大雪山を望む北海道上川郡に造られたオープンセット

 俳優の渡辺謙(53)が主演する映画「許されざる者」(監督李相日、来秋公開)のロケが北海道上川郡上川町のオープンセットで行われている。周辺にはヒグマが棲息しており、侵入を防ぐため、セットの周囲に約10キロにわたって電気柵を設置。全国各地でクマの目撃や被害が相次ぐ中、渡辺も「顔を出してもらいたくない」と警戒している。

 セットがあるのは大雪山のふもと。標高約900メートルの東京ドームの広さ(約4万6000平方メートル)を超える広大な敷地に、民家や警察署など30軒を建てて明治時代の町並みを再現した。

 敷地は「ヒグマの通り道」(地元住民)にあるが、大雪山を望むロケーションを李監督が希望。ヒグマを追い払う対策として、セットの周囲に張られた高さ約2メートルの金網に電気柵を付け、弱い電流を流している。さらにキャスト、スタッフ全員にヒグマと遭遇した時の対処法などを記したマニュアルを配布。建物外への食べ物の持ち出しを禁止するなど厳戒態勢が敷かれている。

 セットでの撮影は今月3日に始まり、11月末までの予定。ヒグマが冬眠前で最も活発になる時期で、渡辺も「お邪魔させてもらっている形だけど、なるべく顔を出してもらいたくないね」と警戒。共演の忽那汐里(19)はクランクイン前にクマ牧場に行き、生態などを学んだという。

 映画は1880年の北海道を舞台に、江戸幕府側の剣士だった主人公が、生活苦のため賞金を目当てに再び戦いへ身を投じる姿を描いた物語。オープンセットならではの壮大な風景に、渡辺は手応えを感じている様子で「日本映画でこれだけのスケールは久々」と強調。主人公の敵役を演じる佐藤浩市(51)も「(風景や環境が)この映画の面白さになる」と自信を見せた。

 ≪虎は“出てこい”≫ロケ地では、すでに雪が降るなど日に日に寒さが厳しくなっている。渡辺は「冬が駆け足で来ている感じ」と語った。そんな中でも、大ファンの阪神タイガースのことは頭を離れないようで「この環境を阪神の選手にも体感して(鍛え直して)もらいたい」と、シーズン成績5位に終わった選手に猛ゲキを送って笑いを誘った。

続きを表示

この記事のフォト

2012年10月25日のニュース