桑田佳祐 約束果たした!宮城で全国ツアースタート

[ 2012年9月16日 06:00 ]

宮城セキスイハイムスーパーアリーナにて行われた桑田佳祐ライブ

 サザンオールスターズの桑田佳祐(56)が15日、宮城県内で5年ぶりの全国ツアーをスタートさせた。会場のセキスイハイムスーパーアリーナでは東日本大震災から半年の昨年9月10、11日にも「宮城ライブ」を開いており、食道がん闘病から復帰後初の本格公演となった場所。思い入れの強い地でツアー復帰を飾り、「仙台ありがとう!」と感謝の言葉を連発した。

 帰ってきた。「久しぶり、1年ぶり。元気ですか?やっぱり皮切りはここからでしょっ!」。桑田のあいさつに約8500人が歓声をあげた。1年前、「必ずまた帰ってきます」と同じ舞台で交わした約束を守った。

 7月に発売したスペシャルベスト盤「I LOVE YOU―now&forever」の収録曲を中心に25曲を披露。「波乗りジョニー」や最新曲「幸せのラストダンス」など、25年のソロ活動で放ったヒット曲を連発した。宮城県出身のさとう宗幸(63)のヒット曲「青葉城恋唄」の替え歌や、下ネタでも盛り上げた。

 ツアーは10都市で22公演。当初は2年前に計画したが、闘病でキャンセル。一昨年8月の手術を経て、復帰後初の有料公演に選んだのは、震災で甚大な被害を受けた宮城だった。本格復帰へ向かう自分と重ね、公演を「今日はみんなで元気になろうぜの会」と位置づけた。ツアー再開の地に選んだのも、復興へ向かう東北地方の思いを全国へ届けるためだ。

 「震災で犠牲になられた方が少しでも心安らぐように、そして絶対にこの会場に戻って歌うことを想定してつくった」という曲「愛しい人へ捧ぐ歌」も披露。復興応援ソング「Let’s try again」では観客が拳を何度も突き上げながら合唱。1年前と同じ熱い光景に「昨年は涙をこらえるのに一生懸命だった」と明かし、「つらいこともありましたが、私もツアーができるようになりました」と話すと、大きな拍手が起こった。

 アンコールで客席を見渡すと、思わず目頭を熱くした。「またここに帰ってこられて本当に幸せ。みんなに見送られてツアーに行ってまいります。また戻ってくるからね、仙台大好き!日本に生まれて、音楽に出合えて、本当に良かった」。桑田らしい出発の言葉で、最後は観客と一本締め。心強い拍手の音を耳と胸に刻み、大みそかのツアー最終公演(横浜アリーナ)に向けて走りだした。

 ≪会場外も祭りムードに≫会場外にはやぐらが組まれ、提灯(ちょうちん)が飾り付けられるなど祭りムード。沿岸地域の復興を祈念して大漁旗も掲げられた。敷地内には今年3月に桑田が訪れ植樹した桜の木が3本あり、多くのファンが記念写真を撮影。桑田は「みんなが桜を見に来てくれていると聞いて本当にうれしいです」と感謝した後、「折ったりしないでね」と笑いを誘った。

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