海老蔵暴行事件 リオン被告に求刑2年「死亡していた可能性も」

[ 2011年3月4日 06:00 ]

報道陣が待ち構える中、公判を終えて東京地裁を出る伊藤リオン被告を乗せたと思われる車両

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(33)が殴られ重傷を負った事件で、傷害罪に問われた元不良グループメンバーの伊藤リオン被告(27)の第2回公判が3日、東京地裁で開かれた。検察側は「死亡していた可能性もあった」として懲役2年を求刑。弁護側は刑の執行猶予を求め結審。判決は14日に言い渡される。海老蔵と夫人の小林麻央(28)にとってこの日は結婚記念日だった。

 伊藤被告は黒いスーツ、白いシャツにグレーのネクタイを締めて出廷。一礼はしなかったものの2月21日に保釈が認められたためか、表情は穏やか。初公判(同18日)の時の、威圧するような態度は影を潜めていた。

 被告人質問の冒頭、弁護側から「暴行を加えたことは間違いないか?」と問われ、「はい」と起訴内容を認めた。左上顎(じょうがく)骨粉砕など全治2カ月の重傷を負わせ「社会的、経済的に迷惑をかけてしまった。歌舞伎界の関係者にも申し訳ない」と陳謝した。

 ただ、事件の発端が海老蔵の頭突きだったとする主張は譲らなかった。「(海老蔵が元リーダーの)髪を引っ張って、引きずり回した。止めようとした自分の胸ぐらをつかみ、手には灰皿も持っていた。割って入った元リーダーに(頭突きで)ケガをさせたので、これはもうどうしようもないと手を出してしまった」と主張。殴った後、海老蔵が前蹴りで反撃してきたと証言し「(蹴りは)当たったが、衝撃を受けるほどではなかった」と説明した。

 約2時間10分の開廷中、最前列で傍聴した母親と妻を見ることは一度もなかったが、「家族にも申し訳ないことをした。(双子の)子供にも恥ずかしいことをしてしまった」と述べた。

 あくまでも「元リーダーを守るためだった」と主張する被告側に対し、検察は「死亡していた可能性もある。暴行は卑劣かつ強度」として懲役2年を求刑した。

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2011年3月4日のニュース