必ず“ベッドシーンあり”の制約がいい 韓国で日本のピンク映画祭盛況

[ 2010年11月10日 09:37 ]

5日、ソウル市内の映画館で開かれた日本のピンク映画を紹介する映画祭の開幕式。日本から監督らが招待され、観客と交流した

 日本のピンク映画を紹介する映画祭が韓国・ソウルで開催され、人気を博している。主催者側はピンク映画を「日本特有の文化」ととらえ、「性に保守的な韓国社会に風穴をあけ、女性が性について自由に語れる雰囲気をつくる」のが狙いと話す。満員となる上映もある盛況ぶりだ。

 映画祭を企画した朱禧(ジュ・ヒ)さん(40)は「安い予算と1週間程度の制作日数、35ミリフィルムを用い、必ずベッドシーンを入れるという制約の下で作られた作品には、監督の個性と力強さが詰まっている」と語る。
 朱さんは日本の大学院で任きょう映画を研究。その後、「大衆文化の息吹を感じるのが魅力」というピンク映画に関心を持ったという。
 4回目の今年は今月5~14日に開催され、期間中に1960年代から最近の作品まで13本を上映。女性が気軽に見られるように、映画祭を始めた当初は男性の入場を禁止していたが、徐々に男性も入場できる上映を増やし、今回は客席にカップルの姿も目立った。
 映画「おくりびと」の監督、滝田洋二郎氏をはじめ、周防正行氏や若松孝二氏ら著名な監督の原点ともいえるピンク映画。
 初回から参加している映画評論家の寺脇研さん(58)は「ピンク映画は日本映画の誇るべきジャンル。韓国の若手映画人に刺激を与え、新たな人材輩出につながれば」と話している。

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2010年11月10日のニュース