AKB「現実見た」ロス公演も「いつか…」

[ 2010年7月3日 06:00 ]

米ロサンゼルスで開幕した「アニメエキスポ」で、レッドカーペットを歩くAKB48の秋元才加(左)と大島優子。奥は前田敦子

 日本のアニメや漫画をテーマにした米国最大規模のイベント「アニメエキスポ」が1日(日本時間2日)、ロサンゼルス市内で開幕し、「AKB48」が特別公演を行った。大島優子(21)らメンバーにとって、米西海岸でのライブは初めて。会場のノキアシアター(7100人収容)は満員とはならなかったものの、総合プロデューサーの秋元康氏(54)は「“海外48”への第一歩」と位置づけ、今後も意欲的に海外へ進出していく意向だ。

 AKB48は「夢の大使」の称号を受け、4日まで続くイベントのメーンゲストに招かれた。ライブでは新曲「ポニーテールとシュシュ」など全15曲を披露。このうち「BINGO!」「大声ダイヤモンド」の2曲は歌詞を英語に変えて歌った。日本から駆け付けた熱烈ファンと、青い瞳の現地ファンが一緒に声援し、ステージを盛り上げた。

 会場のノキアシアターはアカデミー賞授賞式会場として知られる。大舞台を踏んだメンバーは気合十分だったが、空席も目立ち、観客数は約3000人ほど。着席したまま観賞する客も多かった。トップアイドルの地位を確立した日本国内では、満員総立ちのライブを繰り広げているだけに高橋みなみ(19)は「現実を見ました。席を埋まらせたかった」と悔しさをにじませた。

 一方で「まだまだ。手応えなんてレベルにない」と、冷静に受けとめていたのが秋元氏。「秋葉原の劇場がオープンした05年12月8日のことを考えればいい」と原点を振り返った。

 毎日、公演を行う「会いにいけるアイドル」を売りに始めた公演の初日、収容250人の会場に対して観客はたった7人。それが現在では、チケットの購入倍率が100倍以上。「公演回数が増えれば増えるほどファンは増える。現実的には難しいが、ロスで365日間やればノキアも満員になるかも」と力説した。

 海外公演は北京、パリ、カンヌ、ニューヨークに続いて5都市目。11月には姉妹グループ「SKE48」とマカオ公演も控えている。ロシア、シンガポール、イタリア、スペインなどからも公演依頼があり、年内にまだ数カ国を訪問予定。秋元氏は「AKB48が現地の人に“何だこれは”と思わせることが大事。それで人気が出たら現地の人を集めて特別チームを作ることも考えられる」と海外版48構想も明かした。

 高橋は「悔しかったけど、凄い刺激になりました。いつかノキアを満員に埋めたい」。世界への挑戦はまだ始まったばかりだ。

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2010年7月3日のニュース