アルジェリア映画に抗議…極右勢力がカンヌでデモ

[ 2010年5月22日 10:39 ]

 1954~62年のアルジェリア独立戦争を描いて、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されたラシッド・ブシャレブ監督の「無法者」(直訳)が21日、公式上映されたのに合わせ、フランス極右、国民戦線(FN)の支持者ら約1200人がカンヌで「映画は国辱」として抗議デモを行った。

 映画はアルジェリアで150万人ともされる犠牲者が出たフランスからの独立戦争を背景に、3人兄弟が引き裂かれていく様子をアルジェリア側の視点で描いた。

 デモにはFN支持者のほか、与党国民運動連合(UMP)の下院議員、退役軍人、同戦争をフランス側で戦い、独立後はフランスに亡命したアルジェリア系の人々も参加。「映画は歴史の捏造」などと非難した。

 ブシャレブ監督は記者会見で「対立をあおるために撮ったのではない。(アルジェリア独立戦争の)歴史に関する冷静な議論に道を開きたかった」と語った。

 「無法者」はフランスで9月に公開予定。(共同)

続きを表示

2010年5月22日のニュース