主役はこなきじじい 「怪遺産」の“恐怖の館”

[ 2010年4月24日 08:15 ]

徳島県三好市にオープンした「妖怪屋敷」

 豊かな妖怪文化を持ち「こなきじじい」の故郷とされる徳島県三好市に、地元の妖怪を人形で紹介する施設「妖怪屋敷」が今月オープンした。妖怪たちは風変わりな姿やおどけた表情で、観光客らを楽しませている。

 屋敷があるのは道の駅「大歩危」。赤ん坊のような声を上げ、通行人が抱き上げると重くのしかかる「こなきじじい」をはじめ、川で泳ぐ人間を水底に引きずり込む青い顔の「青坊主」、列をなして夜の山道を歩き回る「狸のちょうちん行列」など60体を飾った。
 木材のエノキや発泡スチロール製で、大きさは約3~5メートルとさまざま。地域との結び付きを示すため、水辺や神社など妖怪が現れた場所の写真も展示している。
 「地元に伝わるたくさんの妖怪の力を借りて町を活気づけたい」と住民らが発案した。
 三好市山城町は、妖怪の格好をした住民らが公園を練り歩く妖怪まつりを2001年から開催するなど、妖怪を使った町おこしに力を入れてきた。08年には「ゲゲゲの鬼太郎」の漫画家水木しげるさんが会長を務める世界妖怪協会から世界で2番目の「怪遺産」に認定されている。
 脇真二駅長(59)は「川では、かっぱが出るからと近寄ってはいけない場所があった。妖怪は地域の生活に密着した存在ということも知ってほしい」と話す。問い合わせは道の駅大歩危、電話0883(84)1489。

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2010年4月24日のニュース