前田五郎「冤罪晴らす」…カウスには「人間失格」

[ 2009年9月25日 06:00 ]

大阪市内で会見した前田五郎

 吉本興業所属の漫才師・中田カウス(60)宅に脅迫文が送られた事件で、漫才師の前田五郎(67)が「犯人扱いされ、仕事を奪われた」として同社などに慰謝料と逸失利益など計1憶2000万円の損害賠償を求める訴訟を24日、大阪地裁に起こした。大阪市内で会見した前田は「冤(えん)罪を晴らしたい。(勝算は)ある。(脅迫文は)書いてないもん」と断言した。

 カウス宅に脅迫文が届いた事件がついに法廷の場での争いに発展した。この一件に関連し、前田は41年続いた坂田利夫(67)とのコンビ「コメディNo・1」の解散を余儀なくされ、今月15日付でマネジメント契約を解消されるという道をたどってきたが、会見で吉本への不信感を口にした。
 提訴したことで芸能界からの引退も覚悟しているという前田は「吉本は空母。僕のような小舟に何で敵意をあらわにするのか」と胸中を吐露。5月25日に休養が発表されてからマスコミの取材に応じなかったことについては、吉本新喜劇に所属する愛娘の前田真希(30)まみ(27)の存在がネックだったと明かした。そして「会社に言われた通りに沈黙を守っていたのに…。こんな会社に半世紀近くいたのかと思うと怒りを通り越して情けない」とぶちまけた。さらにカウスにも言及し「オレから言わせたら人間失格や」と語った。
 訴状によると、吉本はカウス宅に脅迫状が送られた事件について、今年5月に前田を呼び出し、筆跡鑑定用に脅迫文と同じ文章を書かせた上、前田の同意なく「休養」を発表。代理人弁護士が専門家に依頼した筆跡鑑定で脅迫文の文字は別人との結果が出たため、同社に復帰に向けた協議を申し入れたが、拒否された。その後、前田は週刊新潮の取材に応じ、同誌に「さらば吉本興業」と題した手記が掲載されたため、吉本から「前田氏の意向」として契約を解消された。
 前田サイドは「犯人扱いされた上、話し合いにも応じずに一方的に契約を解消された。会社の行為は芸能界追放を目的としたもので悪質である」と強調。一方、吉本側は「訴状が届いてから検討します」と答えた。

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2009年9月25日のニュース