酒井容疑者“逃走生活”覚悟?大金引き出す

[ 2009年8月8日 06:00 ]

 警視庁組織犯罪対策5課と渋谷署は7日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで、行方不明になっている女優・酒井法子(本名・高相法子)容疑者(38)の逮捕状をとった。所在は依然不明で、発見次第、逮捕する。3日未明に覚せい剤所持の現行犯で逮捕された夫の高相祐一容疑者(41)とは別居しており、酒井容疑者が住む自宅からも覚せい剤を押収。親族から捜索願が出され、関係者やファンも安否を気遣っていた中、「容疑者」となって追われる急展開を見せた。

 警視庁は7日午前、東京都港区南青山の自宅マンションを家宅捜索。0・03グラム以下の微量の覚せい剤と吸引器具が見つかり、逮捕状を取った。高相容疑者は千葉県内の家で別居しており、マンションでは酒井容疑者と小学4年生の長男(10)が生活。高相容疑者は普段立ち寄っていなかった。警視庁は酒井容疑者のものと判断、長男の目を盗んで使用していた可能性もあるとみている。
 捜索は、酒井容疑者と一緒とみられた長男が都内の知人宅に預けられていたことが6日夜に確認されたことを受け実施。高相容疑者は「妻も一緒に使用していた」「(押収された覚せい剤は)自分のものではない」などと供述した。
 足どりが不明だった酒井容疑者の行動も徐々に明らかになってきた。
 酒井容疑者は、高相容疑者が2日午後11時すぎに渋谷区の路上で職務質問された直後に電話で呼び出され、知人男性と車で現れた。高相容疑者の持っていた袋について「下半身の薬だから見せられない」と警察官に説明。袋の中身が覚せい剤と分かり逮捕されると、渋谷署へ任意同行を求められたが拒否。自身の尿検査についても「絶対に嫌です」と拒んだ。その後、知人男性と車で立ち去り、行方不明となった。
 目撃情報によると、この直後の3日未明に大量の荷物を持ち自宅マンションを出た。この後、東京新宿区の量販店で大量の洋服や下着を買い込み、別の店でも旅行用の化粧水などを購入していた。長期的な逃走に備えた可能性がある。
 同日、都内のATMから逃走資金とみられる数十万円を数回にわたって引き出していた。5日には、公衆電話から知人に「子供の声を聞かせてほしい」と電話をかけたが、居場所は明かさなかった。
 携帯電話の電波は4日に山梨県身延町付近で途切れており、山梨県警も発見に努めている。同日午後1時半には高相容疑者の母親が赤坂署に捜索願を提出。午後6時から所属事務所のサンミュージックが記者会見を開き「とにかく連絡して」と呼び掛けた。
 警視庁は指名手配の段階までには至っていない。警視庁関係者は「当局は、指名手配することで酒井容疑者が追いつめられて自殺してほしくないと考えている」と話した。既に居場所を特定しているとの情報もある。
 アイドル時代は清純派、99年に出産してからは優しいママの顔を前面に出して活動。93年には「麻薬・覚せい剤乱用防止センター」が千葉県で開いた麻薬撲滅キャンペーンにゲストで出演していた。クリーンなイメージが強かっただけに、各方面に激震が走っている。

 ◆酒井 法子(さかい・のりこ)本名高相法子。1971年(昭46)2月14日、福岡市生まれの38歳。化粧品メーカーの「ミスヘアコロンイメージガール」コンテストで入選したのをきっかけに芸能界入り。86年、日本テレビドラマ「春風一番!」に出演。87年に「男のコになりたい」でレコードデビュー。「うれピー」などの独特の言葉遣いが「のりピー語」と呼ばれて人気に。90年代には台湾、香港、中国などに進出。95年に出演した日本テレビ「星の金貨」と主題歌「碧いうさぎ」がヒットし、NHK紅白歌合戦に初出場。98年に結婚、翌年男児を出産した。

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2009年8月8日のニュース