森繁和氏が「長かった…」と漏らした伝説の日本シリーズ“完全試合”と中日53年ぶり日本一の舞台裏

[ 2023年12月4日 22:14 ]

2007年日本シリーズ第5戦、完全試合を続けていた山井の交代を告げる中日・落合監督(左)と森チーフバッテリーコーチ(中央)
Photo By スポニチ

 元中日監督の森繁和氏(69)が高橋慶彦氏のYouTube「よしひこチャンネル」に出演。バッテリーチーフコーチとして重大な決断を迫られた2007年日本シリーズ第5戦の舞台裏を振り返った。

 日本シリーズ史上初の継投での完全試合に森氏はバッテリーチーフコーチとして立ち会うことになる。

 森氏が異変に気づいたのは5回終了時だ。山井大介のユニホームに血が付いていた。

 イニングが進むと血の跡も増えた。

 7回が終わって完全試合は継続中。森氏は「こっちから動くわけにはいかない」と思いながらも山井のマメが気になって仕方なかった。

 落合監督も森氏の方をチラチラ見ている。

 「いつでも動いていいですか?」と聞くと、「任す」の一言だけ返ってきた。

 いよいよ最終回。森氏が捕手の谷繁に確認すると「ボールもちょっと…」と不安な返事。「代えるか?」と聞くと、「任せます」と言われてしまった。

 パッと見ると監督の姿がない。1―0の9回、走者を出してからではさすがの守護神・岩瀬もたまらない。決断を迫られた。

 「岩瀬で行くぞ?」と聞くと、山井が「お願いします」と答えた。

 「本人が決めてくれてよかった」とホッとしてベンチ裏にいた落合監督に交代を伝えると「え、いいの?」と驚いていたという。

 森氏は「それまでが長かった」と、とんでもない決断を迫られた試合を振り返った。

 結果は岩瀬が3人で締め、中日は史上初の継投による完全試合で53年ぶりの日本一を決める。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年12月4日のニュース