西武・古賀悠斗が国際舞台で得た二つの経験 やっぱり西武の投手陣は…

[ 2023年12月4日 08:00 ]

アジアプロ野球チャンピオンシップ決勝の韓国戦10回、送りバントを決めた古賀
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 国際舞台の経験は大きな財産となった。11月19日、アジアプロ野球チャンピオンシップで「ピンチバンター」として話題になった西武・古賀悠斗捕手(24)。U23ではあるが、プロ初の侍ジャパンに選出され、二つの大きな収穫があった。

 一つ目は他球団の選手の思考。18日オーストラリア戦では楽天・早川とバッテリーを組んで5回完全投球を演出した。「他球団の投手と組んだことがない中で、いろいろ聞いて、学んだこともありました」。初めて対戦する打者への配球を組み立てる際に、カウントの整え方や勝負球の使いどころが鍵を握る国際舞台。早川の武器であるチェンジアップを生かすために直球でカウントをつくり、最後は緩急で翻弄(ほんろう)。打者15人中、初球にチェンジアップを投げた打者は2人だけで、決め球を極力、見せない配球に手応えを覚えた。

 二つ目は改めて感じた西武投手陣の力量。17日、19日の韓国戦でそれぞれ先発した隅田と今井は、ともに勝利に貢献した。宮崎での代表合宿中には、今井の直球の威力に他チームのナインが目を丸くし、調子が悪いと感じた隅田のチェンジアップですら「止まって見える」と大きな反応があったという。

 古賀はシーズンを通してボールを受け続ける中で「マンネリじゃないけど、それが普通だと思ってた」と本音を明かし、続けて「ジャパンで投げた時に周りが“えぐい”と反応していた。これは来年マスクを被っていく上で、自信になる反応」とレベルの高さを再確認した。シーズンでは敵となる相手打者の“生の声”を聞いたことで、投手にサインを出す指先は自信に満ちあふれるだろう。

 プレーでは韓国との決勝戦で魅せた。タイブレークの延長10回無死一、二塁で代打として犠打を決め、サヨナラ勝ちでの優勝に貢献。極限の場面でのバントに「緊張した1球だったけど、凄く自信になるし、成長できたかな。あそこで起用してくれた井端監督に感謝しています」と貴重な経験を積んだ。

 今季チームでは自己最多100試合に出場。5位からの逆襲を期す来季は、楽天から古巣に復帰した炭谷がいる。正捕手争いは一層、激しくなるが「来シーズンは、今年を上回るぐらい試合に出る気持ちでいる」ときっぱり。肌で感じた経験を生かし、獅子の扇の要としてどっしりと構える。(記者コラム・福井 亮太)

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