楽天・石井一久監督 今季限りで退任 3年契約最終年 CS進出逃し「申し訳ありません」

[ 2023年10月11日 02:00 ]

<楽・ロ>投手交代を告げる石井監督(撮影・白鳥 佳樹)
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 楽天の石井一久監督(50)が今季限りで退任する意思を固めたことが10日、分かった。3年契約3年目の今季は終盤までロッテ、ソフトバンクとクライマックスシリーズ(CS)進出を争ったが、勝てば3位だったレギュラーシーズン最終戦のロッテ戦に0―5で完敗し、2年連続の4位が確定。来季は新体制で13年以来、11年ぶりの優勝を目指す。

 最後の最後まで粘ったが、143試合目で力尽きた。今季は13年以来のリーグ優勝を達成できず、そして日本一の可能性を残すCS進出への道も完全に閉ざされた。勝てば3位となり、逆転でCS進出だったロッテ戦に完敗。石井監督は本拠地のファンへのあいさつのため、マウンド付近に設置されたマイクの前に立った。

 「皆さんをCSにお連れすることができず、申し訳ありませんでした。本当に負けて凄く悔しい思いです。選手もそうです。この一戦の悔しさを胸に、また来年、選手は一生懸命、悔しさを晴らすためにやっていきますので、皆さん、声援をよろしくお願いします」

 18年9月にGMとしてチームに加入し、21年から3年契約で監督兼任GMに就任。今季から監督に専任することになったが常に編成面にも気を配りながらチーム強化のためにその身を削ってきた。特にGMとしてはFA補強で手腕を発揮。18年オフに西武から浅村、19年オフにはロッテから鈴木大の獲得に成功した。他球団に負けない好条件の提示はもちろん、日米4球団を渡り歩いた自身の現役時代の経験を伝えるなどして口説き落とした。

 監督就任1年目の21年こそ3位も昨年は4位。それでも数年先を見据えながら、今季も投手ではドラフト1位の荘司、さらに渡辺翔、内は1軍デビューからともに50試合以上に登板させるなどチームの未来を担う若手投手を積極的に起用した。結果は4位で3年契約終了とともに退任となるが、6月終了時点で28勝40敗1分けで最下位に低迷していたチームは最終的に70勝71敗2分け。来季以降につながる戦いを示した。

 今後、球団は2年連続Bクラスの要因を分析し、後任の選定作業にも入る。目指すのは東北のファンが誇れる、毎年のように優勝を争える常勝チームの結成。来季は13年以来、11年ぶりの優勝と日本一を目指すため、新体制を構築する。

 ◇石井 一久(いしい・かずひさ)1973年(昭48)9月9日生まれ、千葉県出身の50歳。東京学館浦安から91年ドラフト1位でヤクルトに入団し、97年にはノーヒットノーランを達成。02年にドジャースに移籍し、05年はメッツに所属。06年にヤクルトに復帰し、08年に西武に移籍して13年限りで現役を引退した。日米通算は182勝137敗1セーブ、防御率3・80。主なタイトルは最優秀防御率(00年)、最多奪三振(98、00年)。18年9月に楽天GMに就任し、21年からGM兼任監督で今季は監督専任。左投げ左打ち。

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