“最強8番”阪神・木浪が決めた! 虎の子決勝犠飛「初球でいこうと決めて振りにいけた」

[ 2023年9月13日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1―0巨人 ( 2023年9月12日    甲子園 )

<神・巨>2回、木浪は先制犠飛を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 これ以上うれしい右飛も、そうはない。2回1死一、三塁で阪神・木浪が右翼へ決勝打となる先制犠飛。自らの役割を熟知した「恐怖の8番」が、虎の子の1点を叩き出した。

 「早めに仕掛けようと思って、初球でいこうと決めて振りにいけたのでよかった」

 殊勲の一打は、試合場面と状況を踏まえた思惑通りの放物線を描いた。次打者は投手の西勇。今季「不動の8番」として上位打線へのつなぎ役を果たし続けているからこそ、求められる働きは分かっている。「内野ゴロを打ったらゲッツーなので、外野に打ちたいな…と思っていました。自分が打って投手が少しでも、打撃でも次の守備でも楽に投げさせられるようにとは常に考えてやっている」。狙い通りに山崎伊の初球149キロを右翼フェンス手前まで飛ばし、三塁走者・ノイジーを悠々と生還させた。「(外野手を)越えたら自分らしくないなと思うんで、あれでいいと思います」と満面の笑みだ。

 大山に次いでチーム2番目に多い今季6本目の犠飛で、キャリアハイを更新する40打点に到達。「チャンスの場面は(自分で)決めるという時と、つなぐイメージ(の二通り)でいっているんですけど、最近は決める意識でいっているので、それがいい方向につながっている」。チームとしてもリーグトップの43犠飛。球団記録の46(08年)に迫り、セ・リーグ記録となっている98年巨人の48の更新も現実味を帯びてきた。岡田監督も「犠牲フライということは三塁にいってるいうことやからな。チャンスを広げてるいうことやろうな」と、うなずいた。

 球団史上初となる同一シーズン3度目の9連勝。現状で最短となる14日巨人戦での優勝にまた前進した。「ビジターで決めるより甲子園で決めた方が皆さんもうれしいですし、自分たちもやっぱりホームグラウンドで決めたい気持ちもある」と木浪も本拠での胴上げに意欲。チーム打撃に徹し続け、歓喜の瞬間を迎える。(阪井 日向)

 《今季43個目犠飛 球団最多は46》○…阪神は2回1死一、三塁から木浪の右犠飛が決勝点。今季のチーム犠飛は43個目で、球団最多は岡田監督が前回指揮を執った08年の46個。セ・リーグ記録は98年巨人の48個、プロ野球記録は13年ロッテの54個。また、阪神の1―0勝利は今季6度目で、シーズン6度は12年以来。

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