広澤克実氏 広島3連戦はCS見据え「苦手意識をつくらないこと」 大山の流れ引き寄せる一発を見たい

[ 2023年9月8日 06:45 ]

広澤克実氏
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 阪神OBで本紙評論家の広澤克実氏(61)が、広島3連戦を前に、今後の展望や課題を語った。リーグ優勝後のCSに向けても重要な直接対決であるとし、攻守のキーマンには大山悠輔内野手(28)を挙げた。

 甲子園で2位・広島との直接対決3連戦が始まる。よほどのことがない限り、18年ぶりの優勝は揺るがない。ここは今まで通りに自分たちの野球に徹すること。それが一番だ。

 ただ、広島とは7試合を残している上に、ペナントレースの後にはCSも控えている。いい流れで短期決戦に臨むためにも、この直接対決では「苦手意識をつくらない」「相手に嫌だと思わせる」ことが重要になる。各打者は苦手投手、苦手な配球を後に残すことがないように、打席に集中してほしい。

 優勝すれば、CSファイナルでは1勝のアドバンテージがあるから、3勝すれば日本シリーズに進出する。過去5回しかリーグ優勝していない阪神に足りないものがあるとすれば、選手の経験。これがマイナスに作用することがないように、広島戦では相手ペースにならない戦いが求められる。

 ラストスパートの中心として期待するのが大山だ。不動の「4番・一塁」として全試合にスタメン出場。大山の存在がチームに安定感を与えている。中野、木浪の二遊間コンビが守りの阪神の象徴となっているが、それを支えているのが一塁・大山の守備力。貢献度は非常に高い。

 評価できるのはキャッチングだ。中野、木浪に送球には投げやすいように的を大きくし、ワンバウンドとなる可能性がある佐藤輝からの送球時には低く構えて対応している。捕球は当たり前と思われるかもしれないが、常に安定して捕る、投げミスも防いでくれるという安心感が内野に与える効果は計り知れない。フライキャッチも含め、ボールを捕ってアウトにした「刺殺」はリーグトップの1088。加わった併殺数101も同トップだ。ゴールデングラブ賞級の守備だと言える。

 9月の打率は・188だが、6四球などで出塁率は・409と、やるべきことはやっている。そろそろ流れをグイと引き寄せる大山の一発を見たい。(本紙評論家)

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