オリックス 最短「8・11」にも待望のマジック点灯 茶野が初のサヨナラ打 新たなヒーロー続々

[ 2023年8月3日 06:00 ]

パ・リーグ   楽天2ー3オリックス ( 2023年8月2日    京セラドーム )

<オ・楽(15)>9回 2死満塁 サヨナラ適時打を放ったオリックス・茶野(左は宗、右は渡部(撮影・成瀬 徹)
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 二塁ベース手前で宗と抱き合い、ベンチから飛び出してきた宮城とも熱い抱擁を交わした。2―2の9回2死満塁。決めたのはオリックスのルーキー・茶野だ。安楽の初球をフルスイングでファウルした後の2球目。高めの150キロを見事に捉えたサヨナラの打球が、遊撃・村林の頭を越えて中前で弾んだ。

 「最近、バッティングが良くなかったので、まずは1本出たことがうれしかった。打席に入る前から初球からいこうと思っていたので、振れたことがまずは良かった」

 昨年の育成ドラフト4位で入団し、キャンプ、オープン戦での猛アピールで開幕直前に支配下登録。3月31日の開幕・西武戦も「8番・右翼」でスタメンを勝ち取った。5月半ばまでは打率3割をキープ。ただ、プロの世界は甘くなかった。

 蓄積疲労もあって徐々に調子を落とし、先月7日に初めて出場選手登録を抹消された。再昇格後の2試合も安打が出ず、16打席ぶりの一打がプロ初のサヨナラ打となった。

 「映像と打席の中の自分の感覚を合わせながら。その中で打席で感じたこととかをどう修正するかを、映像を見ながら練習とかでいろいろ試しています。最近はちょっとずつ戻りつつあるかなと思っていました」。チーム最多タイ12本塁打の杉本が調子を落とし、この日に再調整のため登録抹消。森もまだ左太腿の負傷から復帰途上にいる。それでも、次から次へとニューヒーローが出てくるのがパ・リーグ2連覇中のオリックスだ。

 過去2年は点灯しないまま優勝したマジックが最短で11日に、球団では14年以来9年ぶりに点灯する。4連勝で貯金は20に到達した中嶋監督は「関係ないですね。一個ずつ一個ずつ。ここからはそういう戦い方になっていく」と、勝ってかぶとの緒を締めた。(山添 晴治)

 ◇茶野 篤政(ちゃの・とくまさ)1999年(平11)8月4日生まれ、滋賀県出身の23歳。中京学院大中京高から名古屋商大、四国IL徳島を経て、22年育成ドラフト4位でオリックス入団。今季3月24日に支配下登録され、同31日の西武との開幕戦では「8番・右翼」でスタメン出場を果たした。1メートル75、80キロ。右投げ左打ち。愛称はチャーボー。

 ○…新人の茶野(オ)がプロ初のサヨナラ打。今季新人のサヨナラ打は森下(神)、村松(中)の各2度に続く3人目(5度目)。チームでは阪急時代の66年8月5日近鉄戦での長池徳二(左安打)以来57年ぶり。同年7月3日の近鉄戦では住友平(左本)も記録。ドラフト制以降(66年~)の新人では茶野が3人目。またオリックスは今季初の貯金20。貯金20以上は14年9月2日以来9年ぶり。

 ○…オリックスは最短で11日に優勝へのマジックが点灯する。きょう3日からの8試合に全勝、自力優勝の可能性を残すロッテが8試合に全敗した場合、最大で「M35」最少で「M33」が出る。

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