元阪神・横田さん死去 矢野燿大氏「弱い部分は絶対に見せなかった」

[ 2023年7月19日 05:15 ]

19年9月、引退セレモニーで矢野監督(当時)から花束を受け取った横田さん(右)

 18日に死去した横田慎太郎氏が阪神に在籍した2014年から19年まで、1軍コーチ、2軍監督、1軍監督として、ともに戦った本紙評論家の矢野燿大氏(54)が故人を悼んだ。

 2軍監督だった18年、横田は選手として、できることが少なくなってきてもグラウンドにもウエートトレーニング室にも一番に来ていた。鳴尾浜で試合がある時は、ベンチに横田がいるか(検査などで)いないかすぐに分かった。いつも一番大きな声を出していたんでね。ブルペンにもよく来ていた。もちろんダメなんだけど、打席に立ちたい、生きた球を見たいと。どんな状況でも、今できることをやりきる。プロだと思った。凄いなとも思った。視力が低下する中で、見えやすいサングラスなどを手にすると喜んでいたこともあったが、弱い部分は絶対に見せなかった。

 野球人として人として、あんなに真っすぐな人間はいない。俺もそうだけど、残された選手含め、あの時間を一緒に過ごして(横田から)教えられたことを思えば、弱音なんて吐いていられない。短い時間だったけど、一緒に野球をやれたことは心に残っていく。

 引退試合の「奇跡のバックホーム」は、みんながびっくりした。あの時は野球の神様って本当におるんやなと思った。ただ、こんなに早く逝ってしまうなんて…。神様は不公平やなと。そんな気持ちになってしまう。なんて言ったらいいのか、正直、分からないが、生きざまを見させてもらった。(スポニチ本紙評論家)

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