DeNA・藤田一也の「現在地」。6月1日楽天最終戦当日はDOCKで若手と汗!

[ 2023年6月1日 13:29 ]

<D・神>9回1死満塁、藤田の二ゴロを小幡がキャッチ。ホームに送られたボールを梅野が一塁に送球。藤田のヘッドスライディングよりも先に大山が送球をキャッチ。併殺で試合終了(撮影・篠原岳夫)
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 DeNAの23年交流戦日程が発表され、記者が最初に目に止めたのが5月30~6月1日の対楽天3連戦(楽天モバイル)だった。「藤田がこの3連戦で1軍なら盛り上がる」。

 チーム最年長の40歳は、13年楽天初の日本一に二塁手で貢献。その後、22年に古巣DeNAに復帰するまで仙台で愛され続けた。今年の楽天戦は復帰後初のビジター。功労者が戻ってきたら、元ホームの声援も大きいはずだ。

 迎えた6月1日最終戦。藤田は横須賀市内の練習施設「DOCK」でノックを受けていた。「いやあ、そう(楽天戦)ですよね、思いはありましたよ。でも無理です。今の自分の状態じゃあ」。

 イースタン・リーグで13試合21打数5安打、2打点、打率・238。今季1軍出場はない。だが気力は充実している。「若い選手が1軍で活躍しないと。でもDeNAは明るいチームだけど、ノックのとき若い子は元気がない。静かでしょ?それだと大事なときに声が出ない。日ごろから声は出さないと」。豊富な経験を伝授する役目はしっかりこなす。

 一方で昨季の悔しさは忘れてはいない。10月10日CS第1S対阪神3戦目。9回裏一打逆転の1死満塁で代打で登場も、二塁ゴロ併殺打でシーズンを終了させてしまった。

 しばらくの間、スマートフォンの待ち受け画面はその瞬間の画像だった。「結果を残せなかったから今年もやっている。DeNAで優勝したい。ファンと一体だった気持ちを忘れないため、待ち受けにしてました」。

 オフ。オースティンの申し出で背番号「3」と「23」を交換した。23は前回在籍時の番号だ。「背番号は気にしてなかったけどオースティンが話してくれた。あいつは年上に気を使える」と笑うが、助っ人も敬意を払う人柄こそ藤田の魅力だ。

 東北遠征の1軍昇格は消えたが、ミッションはまだある。背番号「23」をハマスタでファンに披露すること。「今からうまくなることはないですよ。今は状態を落とさないことが大事。でも応援してくれるファンのために頑張りたい。(23を披露したい)気持ちもありますよ。まずは状態を上げないと」。

 声出し応援解禁後の本拠地で藤田が躍動する姿をファンは待っている。「若い選手と冗談をまじえながら頑張ります。あとは体次第。気持ちだけではね」。シーズンは残り約5カ月。記者はプロ19年目の「現在地」を確認し、このオフ藤田の待ち受け画面が明るい写真で満ちあふれることを「DOCK」で願った。(大木 穂高)

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