巨人・秋広1号 シン・ゴジラだ!松井衝撃1号から30年…同じ東京Dに出現  初2番19打席目

[ 2023年4月30日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人4-3広島 ( 2023年4月29日    東京D )

<巨・広>7回、秋広がプロ初となるソロ本塁打を放つ(撮影・篠原岳夫)
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 巨人・秋広優人内野手(20)が29日、広島戦の7回1死走者なしから1点差に迫る右中間ソロを放った。3年目で待望のプロ1号。OBで背番号55の先輩でもある松井秀喜氏(48=ヤンキースGM特別アドバイザー)からこの日、エールを送られ初本塁打で応えた。期待の若手の本塁打に続き9回、自主トレの師匠・中田翔内野手(34)が逆転サヨナラとなる左越え6号2ラン。連勝で4位に浮上した。

 30年前にプロ初本塁打した背番号55は、表情を変えずダイヤモンドを一周した。令和の55番も同じだった。2点を追う7回、秋広が右中間席中段へ130メートルの1号ソロ。「うれしすぎて、あまり記憶がない」と振り返ったが、淡々と大きなストライドを刻んだ。

 日本選手歴代最長身2メートルの20歳。高卒2年目の昨季から、日米通算507本塁打を誇るレジェンド・松井氏の背番号を継承した。1年目の1軍出場は1打席。異例の抜てきにも「注目やプレッシャーもあるが、それをはねのけるぐらいじゃないと活躍できない」と言った。昨年は1軍出場なしも、今季は18日に出場登録され初スタメンだった22日のヤクルト戦で初安打をマーク。プロ7試合目で初めて2番に入ったこの日、通算19打席目で待望の初本塁打を放った。

 ゴジラと呼ばれた松井氏とは不思議な縁がある。初安打初打点は、同じヤクルト戦での二塁打。松井氏のプロ初本塁打は93年5月2日のヤクルト戦で、ゴールデンウイーク(GW)の満員の本拠を沸かせた。同じGW、しかもイベントに参加した松井氏からエールを送られた日の初アーチ。「もっともっとファンの方を喜ばせられるような試合ができるように」と気持ちを新たにした。

 松井氏が背負った「55」に「軽い番号ではない。ジャイアンツの55番は偉大な数字。それに恥じないようなプレーをしなければならないとずっと思っている」と言う。自主トレに同行し、師と仰ぐ中田翔の逆転サヨナラ弾につないだ一撃は、一振りで流れを変える松井氏のようだった。これで先発出場した5試合全てで安打を放ち、チームも5勝。原監督も「まだまだ大きな可能性というものを秘めている」と期待した。

 松井氏が日本で最後にプレーした02年生まれ。地上波でテレビ中継がある日の活躍で、新55番を印象づけた。「あいつに(55を)背負わせてよかったなと思われるような選手になりたい」。大きな背中の背番号55が、より一層大きく見えた。(小野寺 大)

 ◇秋広 優人(あきひろ・ゆうと)2002年(平14)9月17日生まれ、千葉県船橋市出身の20歳。二松学舎大付では2年秋から投手兼内野手で甲子園出場なし。高校通算23本塁打。20年ドラフト5位で巨人入団。21年9月29日の中日戦で代打としてプロ初出場。昨季は2軍で109試合に出場し、打率.275、9本塁打、38打点。2メートル、95キロ。右投げ左打ち。

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