広島・デビッドソン初適時打ついに出た開幕79打席目 逆転サヨナラ負けで借金転落の中で希望の光

[ 2023年4月30日 06:00 ]

セ・リーグ   広島3-4巨人 ( 2023年4月29日    東京D )

<巨・広>3回、広島・デビッドソンは勝ち越し打を放つ (撮影・西川祐介)
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 広島のマット・デビッドソン内野手(32)が29日の巨人戦で開幕から79打席目にして来日初の適時打を記録した。同点の3回2死一、二塁から中前へ一時勝ち越し打。得点圏では開幕から18打席目で初めて快音を響かせた。栗林良吏投手(26)が3年目で初の逆転サヨナラ被弾に沈み、2連敗で8日以来の借金転落ながら、打線は今季最多タイの12安打など上昇の兆しを見せた。

 デビッドソンが得点圏18打席目でようやく期待に応えた。1―1の3回2死一、二塁でカウント2―2に追い込まれながらグリフィンのチェンジアップを捉え、一時勝ち越しの中前打を放った。

 「打席の中で甘く来たところに対しては積極的にいこうと意識していた。そこ(来日初の適時打)は、気付いていた。得点を挙げることができて良かった」

 開幕から79打席目で初の適時打。過去9打点は5本塁打と2犠飛、内野ゴロで稼いだもので、好機では凡退が続いていただけに今後につながる一打と言っていい。1点を追う2回1死一塁では左前打を放ち、同点にもつなげた。7回無死満塁では二ゴロ併殺打。打点は付かなくても追加点を挙げた。三振では何も起こらない。二遊間が定位置だった守備隊形に即し、“最低限”の打撃をこなした。

 マルチ安打は20日の阪神戦以来、7試合ぶり3度目。今季最多タイの12安打を放った打線の中心で助っ人の活躍が光った。28日の巨人戦では左翼席後方の看板を直撃する豪快な一発を放ち、持ち味を発揮。一夜明けても結果を残し、手応えをにじませた。

 「(打撃フォームの改造は)正しい方向に行っていると思う。コーチングをしていただいて、非常に助かっている。その形で今の状態があると思う」

 試合前の打撃練習では改良中の打撃フォームを新井監督にも直接確認してもらった。新井監督は「今取り組んでいることのすり合わせをした」と精力的な姿に感心。すぐに結果として表れた。

 秋山が今季5度目の3安打を放ち、マクブルームも2安打。まだ打率1割台に甘んじるデビッドソンが当たり出せば得点力の増加が見込まれ、新井監督も「みんな(バットが)振れてきている。いい形での攻撃というのはできていると思う」と今後に期待を寄せた。2連敗でのゴールデンウイーク突入で借金1。近づく鯉のぼりの季節へ、打線上昇の気配は確かにある。(長谷川 凡記)

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