松井秀喜氏 エンゼルス大谷の二刀流成功に「彼が道をつくった」「両方いける選手が出てくるのでは」

[ 2023年4月28日 14:03 ]

<松井秀喜氏が日本外科学会定期学術集会で特別講演>特別講演を行った松井秀喜氏(右)(左は広岡勲氏)(撮影・西海健太郎)
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 巨人、ヤンキースなどで活躍し、日米通算507本塁打を記録した松井秀喜氏(48)が28日、東京都内で行われた「第123回日本外科学会定期学術集会」で特別講演を行った。約1500人の外科医や医療関係者らを前に「人にない“武器”をどう身につけるのか?」というテーマで、元ヤンキース広報で現在は江戸川大学教授の広岡勲氏と掛け合いの形で約1時間、トークを繰り広げた。

 現役時代については、巨人入団時の監督だった長嶋茂雄氏(現巨人終身名誉監督)と毎日、マンツーマンで素振りしながら指導を受けたことを振り返り、「バットが空気を切る音で、打撃の状態を判断することができるようになった。聴覚でチェックできる選手はなかなかいない。それが武器になった」と感謝の思いを口にした。

 今季終了後、プロ人生で初めてFAになるエンゼルス・大谷についてアドバイスがあるか問われると、「ないです。彼の場合は今、行きたいチームに、望む条件で行けるだろうし、彼の望む環境をつくれるだろうし、今は本当にメジャーリーグで一番と言っていいくらいの選手だと思っています」と言及。一方で、二刀流の継続については「健康状態の不安を持つチームもあるかもしれないですね。どこまで許してもらえるか。今のエンゼルスのように許してもらえるか。もしくは、もうちょっと制限されるのか。球団ごとに交渉がある程度、あるんじゃないですか」と分析した。

 また、大谷の二刀流の成功については「なぜその発想がなかったのかという気もします。両方できる選手もいたと思う。彼くらいのレベルでできたかは分からないですけど、両方できる選手が。例えばジャイアンツで言えば、私の先輩の桑田さんとか、斎藤さんとか」と、過去にいた投打に優れた選手の名前を挙げた。さらに、「そういう発想が誰もなかった。それは野球界の歴史の中でも、ある意味では怠慢だったんじゃないのかなと思うんですけどね。誰もそこに気づかなかったという。高校までは普通にエースで4番、ってできていたわけじゃないですか」と私見を示した。

 その上で、「彼(大谷)がそういう道をつくったわけですから。これくらいの(レベルで)両方いける選手が出てくるんじゃないかなと思います」と大谷に続く二刀流選手を待望した。

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