「エンゼルスの兜」提供した社長 本拠地開幕戦でトラウトがかぶる姿に興奮「震えあがりました!!」

[ 2023年4月11日 16:25 ]

<エンゼルス・ブルージェイズ>5回、逆転3ランを放ち鍬形が外れた兜をかぶるトラウト(撮影・会津 智海)
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 エンゼルスで本塁打を放ったチームメートを祝う新儀式で使われている兜(かぶと)を提供した横浜市の小売店「サムライストア」の社長・桐田敏彦氏が11日、都内でスポニチ本紙の取材に応じ、大谷翔平もかぶった兜の秘話を明かした。

 桐田氏によると、水原一平通訳から「Helmet Inquiry(ヘルメットの問い合わせ)」という件名で今月4日にメールが届き、全文英語で「チームの今シーズンのホームランセレブレーションがサムライ・カブトに決定しました。ホームゲームが4月7日に始まります。兜1つをアナハイムまで(本拠地)開幕に間に合うように送ってもらえませんか」との依頼が記されていたという。

 サムライストアでは国外にも甲冑(かっちゅう)などを販売しており、海外の顧客向けに主要なホームページは英語表記のものも多い。桐田氏は「水原通訳は英語版サイトを見て連絡をくれたんだと思います」とメールが全文英語で記された理由を推察した。

 メールを読み終えると、急いでいくつかの甲冑の工房に連絡。なんとかすぐに発送できる兜が1つ見つかり、依頼が届いた4日に写真をメールで送付。翌5日の昼過ぎに「写真のものでOKなので、すぐに送ってください」と返信が来た。桐田氏が念のため、送り先の住所をグーグルマップで検索するとエンゼルスの本拠地「エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム」に設定されていたと言い「思わずずっこけてしまいそうになりましたよ。球場が送り先なんだ」と驚いたという。

 5日夕に兜を発送。運送会社のトラッキングサービスによると、現地時間で本拠地開幕戦の前日の6日午前10時ごろにスタジアムに到着したという。
 
 そして迎えた8日(日本時間)。初回にマイク・トラウトが本塁打を放つと、見覚えのある兜が登場。トラウトが頭に乗せて仲間から祝福されている映像を見た。「(興奮で)震え上がりました。そして、あらためて依頼は本当だったんだなあと思いました」。

 球団関係者によると、兜をかぶせる案はクオリティ・コントロール・コーチのティム・バス氏を中心に球団が発案。新しい“本塁打セレブレーション”は本拠地開幕戦で初お目見えとなった。大谷も10日(日本時間)に行われたブルージェイズ戦で初めて兜をかぶり、満面の笑みを浮かべた。

 兜を製造したのは甲冑工房丸武産業(本社:鹿児島県薩摩川内市)で兜や胴や小手など一式では77万円(税込み)だが、兜のみは33万円(同)という。

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