岩隈久志氏が侍ジャパンに金言 WBC球の特性つかめ 相性見極め自分の中に落とし込む

[ 2023年2月25日 05:15 ]

09年、決勝の韓国戦で先発し快投した岩隈
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 3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で09年の第2回大会以来、14年ぶりに世界一を狙う侍ジャパン。再び頂点に立つためには何が必要なのか。09年の世界一連覇に貢献した岩隈久志氏(41)が、スポニチ本紙を通じて侍たちに金言を贈った。

 09年の世界一連覇の原動力となった岩隈氏が重要性を説いたのはWBC球との相性だ。「滑る分、ボールがよく動いてくれた。おかげでツーシームとスライダーは特に効果的に使えました」と言う。

 1次ラウンドから快投し、決勝の韓国戦にも先発。バッテリーを組んだ城島と「無駄球をなくしていこう」と球数制限も計算した意思疎通を図った。97球で大会史上最長の7回2/3を投げ抜き2失点に抑えた。

 大会最多の通算20イニングで防御率1.35は圧巻の数字だ。キャンプでボールの特性をつかみ、いち早く自分の中に落とし込んだ。「シュート系のボールを投げて球を動かしまくろうと思った。バッターが振ってくれる軌道を突けば、内角で1球勝負もいける」と頭と体をすり合わせた。

 レギュラーシーズンでの割合は「6、7割が直球」と言うが、期間中は「真っすぐ系が5割、カーブ、スライダー、フォークで5割」と振り返る。真っすぐ系も「ほとんどがツーシーム」ときれいな回転は封印した。

 岩隈氏は「大会を通じて自分に何ができるかを考えることが大事」と強調する。滑る球を生かした配球面の変化で世界一に貢献。ツーシームが武器となり「あとは外の球を振らせるオーソドックスな形でも攻められた」と振り返る。

 「ダルや大谷もいるし、今大会の注目度はすさまじいと思う。その中で勝ってほしいけど、一番は日の丸を着る自分に誇りを持ってプレーしてほしい」と岩隈氏。日本の世界一奪回を信じている。

 ◇岩隈 久志(いわくま・ひさし)1981年(昭56)4月12日生まれ、東京都出身の41歳。堀越から99年ドラフト5位で近鉄入団。楽天、マリナーズ、巨人でプレー。08年には21勝を挙げ沢村賞、MVPに輝いた。代表歴は04年アテネ五輪、09年WBC。日米通算成績は376試合で170勝108敗2セーブ、防御率3.31。

 ☆09年 優勝 原辰徳監督が監督を務め、イチローを筆頭に松坂、城島、福留、岩村とメジャーリーガー5人が出場。敗者復活方式を採用した1、2次ラウンドを勝ち抜き4強入りすると、準決勝は米国相手に松坂―田中―ダルビッシュの継投で勝利。決勝は韓国と同大会5度目の対戦となり、延長10回にイチローが決勝の2点打。5―3で連覇を達成した。MVPは2大会連続で松坂が受賞。また、原監督の提案により同大会から「侍ジャパン」の愛称が誕生した。

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