関本賢太郎氏 阪神・佐藤輝の決意と覚悟感じた 前傾角度の微調整で30発100打点へ

[ 2023年2月25日 05:15 ]

昨季の佐藤輝の構え(左)と今キャンプで取り組む構え
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 【関本賢太郎視点】阪神・佐藤輝の本気と覚悟を本紙評論家・関本賢太郎氏(44)が間近で見届けた。グラウンド上で3年目のシーズンに向けて汗を流す背番号8を、関本氏が徹底マーク。オープン戦開幕を前に、打席での前傾姿勢の角度の微調整に重点的に取り組んでいることを明らかにした。上のレベルを目指す姿勢を、関本氏も高く評価した。

 グラウンドレベルで佐藤輝のフリー打撃をしっかり見させてもらった。今、何をテーマにしているのか――。話も聞いた。彼がひそかに取り組んでいるのが、構えた時の前傾姿勢の角度の微調整。打撃練習中も、これを何度も繰り返していた。

 構えたところからトップをつくる間に、上体が倒れ込む動きをできるだけ小さくしたい。それが前傾の角度を意識する理由だ。打席で上下動のブレが少なくなれば、安定した打撃につなげることができる。グリップの位置を少し低くした今年の打撃フォーム。佐藤輝はその次の段階として、スイングの軌道を自分のイメージに近づけるため試行錯誤を重ねていたのだった。

 だが前傾すると、ボールを従来よりも斜めに見るので、高低を見極めることが難しくなる。ここをどう克服するかがオープン戦でのテーマになってくる。開幕まで時間はまだある。うまくいかない時には、切り替えることも、まだできる。結果にとらわれず、シーズンに向けて最高のものをつくろうとする姿勢は必ずや佐藤輝のバッティングに生かされるはず。すべては理想のスイングに近づくため。回り道をしてもそれは決してムダではないと思う。

 20本塁打を30本塁打にまで伸ばしたい、80打点を100打点にしたい、と彼は強く思っている。言葉の端々にも決意がのぞいた。三塁固定で打撃に専念できている分、言い訳はできないシーズンだということも分かっている。覚悟を持って、取り組んでいるのだ。

 課題の内角球を克服するために打席での立つ位置を変える工夫も、今ならトライできる。いろいろと試すことが打者としての財産になる。そう信じて進んでほしい。一つのメドは開幕2週間前。その段階で、佐藤輝がどんな形を自分でつくり上げるかが注目だ。(本紙評論家)

 ≪グリップ位置下げた新スタイルでヤク払い≫

 佐藤輝が新スタイルでヤクルト・小川攻略に挑む。グリップの位置を下げ、ミートポイントを前にした23年型打撃フォームに取り組んだ成果をリーグ連覇中の王者相手に試す時がやってきた。オープン戦初陣を前に「しっかり自分のスイングをして、開幕までに準備することがテーマ」と気合を入れた。

 “打ち込みデー”となったこの日はフリー打撃60スイングで柵越え12発。右方向4本に対して、中堅3本、左中間5本と逆方向の打球も伸びていた。初日の0本も今は昔。「どんどん、いい形になっているので、帰ってからも頑張るだけ」と収穫を確認した。
 初戦の相手は小川。昨年は14打数4安打、0本塁打に終わっている。「いい調整相手?そうっすね」。一気のみを狙う。

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2023年2月25日のニュース