10日に事故死の入来智さん通夜しめやかに 弟祐作氏は涙「心の整理がついていない」

[ 2023年2月13日 05:00 ]

兄との思い出を語り涙を拭うオリックス・入来祐作コーチ(撮影・尾崎 有希)
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 近鉄、巨人、ヤクルトなどで投手として活躍し、10日に交通事故で重症頭部外傷のため55歳で死去した入来智さんの通夜が12日、宮崎県都城市の斎場で営まれた。通算35勝をマークした元右腕の突然の訃報に、涙雨が降る中、約100人が参列した。

 オリックスで投手コーチを務める弟の祐作氏(50)は、涙を流し「急なことで心の整理がついていない。人騒がせな破天荒な人。派手な死に方をするのも兄貴らしい」と声を震わせた。同時在籍した巨人では「入来兄弟」と話題を呼んだ。

 祐作氏によると故郷の都城市で介護士をしていた智さんは3月に88歳になる父・喜門さんを思い「親父の面倒を見る時に役に立つ」と励んでいたという。現役引退後は貯金が底をつき、転職を何度も繰り返す波瀾(はらん)万丈の人生。「職を転々としていたが介護の仕事は“楽しい、楽しい”と言っていた」と振り返った。兄弟で父の米寿のお祝いをし兄と最後に会ったのは亡き母の墓参りに行った1月31日。突然の訃報の電話を受けたのは11日の午前1時ごろで、病院で故人と対面した。

 斎場には現役時代のユニホームや写真が飾られた。オリックス・福良淳一GMらが弔問に訪れ、清原和博氏ら球界関係者の供花が並んだ。13日に同所で告別式が行われる。

 ▽10日の入来さんの事故 午後9時50分ごろ、宮崎県都城市野々美谷町の信号のない交差点で発生。都城署によると団体職員の男性(33=東京都葛飾区)が運転する乗用車が、入来さんが乗っていた軽乗用車の右側運転席に衝突。入来さんの車は衝撃で近くの畑に落ち、前部がへこんで大破した。入来さんの死因は「重症頭部外傷」と発表された。軽乗用車と乗用車にはそれぞれ1人の同乗者がいたが、ともに軽傷。乗用車を運転していた男性にケガはなかった。現場は一時停止の標識のある交差点で、詳しい事故原因を調べている。

 ▼ヤクルト・高津監督(ヤクルト時代の同僚)先輩ですけれど、凄く接しやすくて楽しい方だった。本当に驚いた。本当に残念です。

 ▼古田敦也氏(ヤクルト時代の同僚)自分より若い人が亡くなるのは非常にショック。バッターに向かっていくというか、マウンドでは感情が豊かだった。僕はそれを時にあおり、時に抑えながら。本当に残念です。

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