ソフトB・寺原コーチ 風間に伝えたいこと「ドラ1のプライド持ってトレーニングを、技術以外も大事」

[ 2022年11月8日 05:00 ]

風間(左)のキャッチボールを見る寺原コーチ
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 ソフトバンクOBで5年ぶりに現場復帰した寺原隼人3軍投手コーチ(39)を直撃した。期待のドラフト1位・風間球打投手(19)の指導方針や千賀滉大投手(29)に続く「育成出身エース」の発掘を目標に掲げ、3日から筑後ファーム施設で行われている秋季筑後キャンプで始動した。

 5年ぶりにソフトバンクのユニホームに袖を通した寺原3軍投手コーチは少し照れくさそうだった。ガラスに映る自身を見つめ、「懐かしい感じがしました。初々しさもあり、(現役時代とは)違う感覚で着られてうれしい。一番長く在籍したし、チームには恩があるので気が引き締まる」と11年間愛着したユニホームを見つめた。

 まずは期待のルーキー・風間の育成が注目される。同じ高卒ドラフト1位で自身は宮崎・日南学園時代の夏の甲子園で当時高校最速の158キロを計測。対して風間は世代最速157キロを誇る剛腕だ。「ポテンシャルはある。でも、2、3軍でダラダラしていては駄目。ドラ1のプライドを持ってトレーニングをして、技術以外も大事。僕も“2軍で腐るな”と言われていた。そこも踏まえて、声かけしたい」と目を光らせている。

 指導方針については「僕も1年目はのびのびやらせてもらった。いろいろ言われすぎてが頭がいっぱいになるのは良くないので、少しずつアドバイスしたい」と明かした。筑後秋季キャンプ初日、ブルペンで44球を投じた風間を「直球は力強いボールを投げている。若いのでまだまだ可能性もある」と評価。まずは自身で感じさせて、経験を積ませる「主体性」を重要視していく。

 来季は千賀がメジャー挑戦を表明しているため、将来のエース育成も期待される寺原3軍投手コーチ。その責任感は肌で感じている。「千賀や拓也(甲斐)が育成から出てきてくれたおかげで今の育成選手も“自分たちも”と思うはず」と感謝。12球団トップクラスの練習環境を持つチームだけに「しっかりと鍛えて、経験を積めば千賀に近い選手がまた現れてもおかしくない」と“育成のホークス”を継承していく覚悟だ。

 現役18年間でダイエーなど4球団でプレー。通算303試合に登板したNPBでは先発、中継ぎ、抑えと幅広く活躍。その後は独立リーグでも選手兼コーチも経験しただけに「先発から抑えまでの大変さを理解しているのでどこのポジションに対しても答えられる」と頼もしい。呼び名は「寺原はちょっと言いにくいので」と笑い、現役時代の愛称だった「テリー」を提案。「現役時代にサファテとかから言われていたので、そう呼んでもらって大丈夫。そっちの方がコミュニケーションが取りやすいと思うしね」と秋空を見上げて笑みをこぼした。(福井 亮太)

 ◇寺原 隼人(てらはら・はやと)1983年(昭58)10月9日生まれ、宮崎県出身の39歳。01年に4球団競合のドラフト1巡目でダイエーに入団。横浜、オリックスを経て、13年からソフトバンクに復帰。19年ヤクルトに移籍し、同年限りで現役引退。その後は琉球ブルーオーシャンズで投手コーチを務め、今季から福岡北九州フェニックスの投手コーチに就任。8月には選手兼任コーチとして現役復帰した。NPB通算303試合で73勝81敗23セーブ12ホールド、防御率3.88。右投げ右打ち。

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