エンゼルス・大谷が自己最速190キロ弾 まるで02年WSのボンズの一発 飛んだ今季最長141メートル

[ 2022年6月27日 02:32 ]

ア・リーグ   エンゼルス3-5マリナーズ ( 2022年6月25日    アナハイム )

<エンゼルス・マリナーズ>3回、エンゼルス・大谷が同点ソロ本塁打を放ちベンチを指さす(撮影・篠原岳夫)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が25日(日本時間26日)、マリナーズ戦で通算109本塁打中、自己最速の打球速度118マイル(約190キロ)の驚速アーチを放った。118マイル以上の本塁打は、データ解析システム「スタットキャスト」が本格導入された15年以降8人目で球団初。エ軍が初の世界一に輝いた02年のワールドシリーズ(WS)で、敵軍ジャイアンツのバリー・ボンズが放った衝撃弾を思い起こす現地メディアが相次いだ。 

 木製なのに金属バットのような衝撃音が響いた。マリナーズの外野陣は一歩も動けなかった。1点ビハインドの3回2死、大谷が放った16号ソロは右中間深くの通路付近に着弾した。飛距離は今季自己最長の462フィート(約141メートル)。中継局バリースポーツ・ウエストは「ここまで打球が飛んでくることを予測したファンは果たしていたのでしょうか」と興奮気味にまくし立てた。

 本塁打では自己最速の打球速度118マイル(約190キロ)で、ヤンキースのスタントンが記録した119・8マイル(約192・8キロ)に次いで今季両リーグ2番目の速さ。フィル・ネビン監督代行も「驚異的だった」と感嘆した。ジルベルトの96・8マイル(約156キロ)直球も今季大谷が本塁打した球で最速。剛球と、それに負けない強いスイングが一番の反発力を生んだ。

 今季は球団初のWS制覇から20年。複数のメディアが当時を思い起こし、この球場での第6戦でボンズが右翼席の通路付近まで飛ばした特大弾と重ねた。ネットメディア「ロスト・イン・ボストン・スポーツ」のトーマス・カリエリ氏は「Barry Bonds flashbacks(ボンズを思い出す)」、エ軍のラジオ中継を務めるトレント・ラッシュ氏は「Ohtani just hit a ball to Barry Bonds territory!(大谷がボンズの領域に打った)」とツイートした。

 試合は敗れ、マ軍と入れ替わり4位転落。3―5の9回は前を打つトラウトが歩かされ2死一、二塁と一発なら逆転サヨナラの場面で右飛に倒れた。ネビン監督代行は「最後の打席は紙一重だった。強い打球を放ったがトップスピンがかかってしまった」と残念がった。

 打者では5試合連続安打と好調。投手としては29日(日本時間30日)のホワイトソックス戦に先発する。チームが苦しい中でも、夏本番を前に大谷のエンジンは全開間近だ。(笹田 幸嗣通信員)

 《球団初の118マイル超え》15年のスタットキャスト本格導入以降、118マイル(約190キロ)超えの本塁打は球団初で大リーグ史上8人目となった。大谷の全打球の打球速度で最速は22年4月10日のアストロズ戦で放った右前打の119.1マイル(約191.6キロ)。16号ソロの118マイル(約190キロ)は3番目で、462フィート(約141メートル)は自身4番目の飛距離となった。

 ▽02年エンゼルスのWS制覇 2勝2敗で迎えた第5戦で大敗して追い詰められたが、本拠地での第6戦で0―5から終盤に逆転。勢いに乗り第7戦も制した。ジャイアンツのボンズは打率.471、4本塁打、6打点と奮闘。第6戦の6回に放った特大右越えソロがシリーズ最後の一発となった。同僚で現日本ハム監督の新庄剛志は日本選手としてWS初出場を果たし、初安打も記録した。

 ◇バリー・ボンズ 1964年7月24日生まれ、米カリフォルニア州出身の57歳。86年にパイレーツでメジャーデビューし、ジャイアンツ時代の96年に史上2人目(当時)の40本塁打&40盗塁を達成。01年にシーズン最多記録の73本塁打。通算762本塁打、2558四球は歴代1位で、MVP7度も歴代最多。

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2022年6月27日のニュース