広島入り決断の秋山翔吾 常に野球のことを考え続ける“球道者” イジられキャラの一面も

[ 2022年6月27日 05:31 ]

秋山翔吾外野手
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 日本球界復帰を決めた秋山翔吾外野手(34=前パドレス傘下3Aエルパソ)が広島への移籍を決断。希代の安打製造機の実像を紹介する。

 「永遠の野球小僧」「求道者」。どんな言葉が似合うのだろうか。私の見てきた西武での秋山は、チームを強くさせるため、勝たせるため、時にはチームメートに厳しい言葉をかけることも辞さなかった。その分、本拠地での試合後は室内練習場へ直行。誰よりもバットを振り、結果で周囲を納得させてきた。

 担当記者は原稿を書き終えると、駐車場での「秋山独演会」に足を運ぶのが定番だった。その日のプレー、自身の状態、チームの状況、弁の立つ男が、終電間際まで放つ、一言一句に耳を傾けた。対メディアにもプロとしての仕事を求める。自身に関する記事やラジオの実況まで細かくチェック。「あの表現はどうなの?」と指摘されることもあり、当時は、背筋を伸ばしながら原稿を書いた記憶がある。

 そんな秋山に「シーズン中、頭の中で野球のことは何%占めているの?」と聞いたことがある。「98~99%ぐらいでしょうね。100%と言ったら嘘くさい」という言葉に少しホッとする思いもあった。それでも「あまり他のことが入る隙間は無い。何をやっていても結びつけますよ。野球を切り離す瞬間はないんじゃないかな」という言葉が返ってきた。

 とはいえ、決して堅苦しい人間ではない。18年優勝時の祝勝会では、後輩の熊代が鼻の穴の周りをマジックで黒く塗るなど、秋山の顔をまねて登場。年下の選手からイジられることも多々あり、オフのテレビ番組でも、お茶目な姿をたびたび披露している。侍ジャパンで共闘した1歳下の菊池涼から徹底的にイジられ、すんなりとチームに溶け込む姿が目に浮かぶ。(17~19、21年西武担当・花里 雄太)

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