エンゼルス・大谷「速球デー」今季最速出た162・2キロ2度計測 全94球中真っすぐ&カット計52球

[ 2022年5月20日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー6レンジャーズ ( 2022年5月19日    アーリントン )

<レンジャーズ・エンゼルス>6回2失点の好投も勝敗付かずだった大谷(撮影・光山 貴大)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が18日(日本時間19日)、レンジャーズ戦に「3番・投手兼DH」で出場。勝敗は付かずも6回6安打2失点、7奪三振と力投した。今季は当日の調子も考慮しながら各登板でテーマを設定し、この日は「速球デー」として要所で相手を圧倒。今季最速の100・8マイル(約162・2キロ)を2度も記録するなど、直球の平均球速はメジャー自己最速の98・6マイル(約158・6キロ)をマークした。

 グラブを叩き、安堵(あんど)の表情を浮かべた。6回、ハイムの適時打で同点とされ、なお2死三塁。大谷がイバネスへの6球目に剛速球を投じた。ボールだったが球速は1年目の18年に記録したメジャー自己最速101・1マイル(約162・7キロ)に迫る今季最速100・8マイル(約162・2キロ)。7球目はパワーカーブで三ゴロに斬った。

 「変化球もコマンド(制球)も含めていけるなっていう雰囲気ではなかった。球速で押していくスタイルしかなかった」

 3回以外は毎回、走者を許す投球。要所で頼ったのは速球だ。投じた直球40球の平均球速は自身最速の98・6マイル(約158・6キロ)。100マイル(約161キロ)以上が8球は自身2番目に多い。前回対戦でメジャー初の満塁弾を浴びた天敵のハイムにまたも3安打2打点と打ち込まれるなどして勝敗は付かなかったが、6回6安打2失点と力投。3試合連続クオリティースタート(6回以上、自責点3以下)と役目を果たした。

 今季の「投手・大谷」は不調でも崩れない。一因は球種割合のマネジメントだ。「全体のパーセントを管理しながらやらないといけない。特に強いチームとやる時は(普段多く)投げない球も投げていくことは大事」と言う。4月20日のアストロズ戦は右肘の位置を下げることでより変化量が増したスライダー、前回11日のレイズ戦は通常より速いパワーカーブを勝負球で多投。この日は登板前に宝刀スプリットの落ちが良くないと判断し「リスクを追わなくてもいい」と要所では直球を勝負球とした。この日の同球種の割合は42・5%だが、今季過去6度の登板で3球しか投げていなかったカットボールが12・8%となる12球。速球系が半数以上を占めたことには「(体が)強度に慣れてきた」と手応えを語る。

 打撃は今季初の5打数無安打。王手をかける日米通算150号もお預けとなった。ジョー・マドン監督が9回に遅延行為で退場となり、チームは延長10回の末にサヨナラ負けを喫し、今季初の3連敗。それでも大谷は「こういう時は必ずくる。明日、休みを挟んでその次からどうするかが大事。切り替えて頑張りたい」と前を向く。

 投手にとって直球は誰しもが軸とする球種。白星は付かなかったが「速球デー」で試合をつくったことは、確実に今後へとつながる。

 ≪大谷の天敵ハイム3安打2打点 今季5の5、7打点≫大谷にとって「天敵」でもあるレンジャーズの捕手ハイムは「大谷は誰もが知っているスーパースター。マウンドで最高の球を投げてくる。早く勝負するように心掛けた」と笑顔で振り返った。2回に中前打を放つと、4回は100マイル(約161キロ)に詰まりながらも左前適時打。1点を追う6回には再び左翼に同点適時打を放つなど、大谷から3安打2打点をマークした。4月14日の前回対戦で自身初の満塁弾を含む2安打5打点を記録しており、今季の対戦成績はこれで5打数5安打7打点となった。

 ≪スライダ-デー≫☆VSアストロズ(4月20日) 右肘を下げて横の変化量を高めたスライダーを武器に、自身最長の6連続を含むメジャー自己最多タイの12三振を奪った。スライダーの曲がり幅は最大50.8センチ。81球のうち35球で球種別で最多の43%と多投した。

 ≪カーブデー≫☆VSレイズ(5月11日) 6回1失点と粘投。直球が平均より2キロ遅い中、通常のカーブより高速で鋭く曲がり落ちる「パワーカーブ」を多投。「打者の反応を見ながら。そっちの方が抑えられると思った」と、5三振のうち3つをパワーカーブで奪った。

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