日本ハム・新庄ビッグボス 初采配初勝利に「俺、頭いいでしょ?」 チルドレン今川が特大2ラン

[ 2022年2月28日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム4ー2広島 ( 2022年2月27日    沖縄・名護 )

<日・広>4回2死三塁、今川は本塁打を放つ(撮影・西川祐介)
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 ビッグボスが初采配でオープン戦初勝利を飾った。日本ハムは27日、沖縄・名護での広島戦に4―2で勝利。オープン戦初戦だった前日のDeNA戦はベンチ入りせず、宿舎のベランダから観戦した新庄剛志監督(50)が、最後までベンチで指揮を執り初白星を手にした。「新庄チルドレン」の一人である今川優馬外野手(25)が4回に左翼場外への特大2ラン。指揮官に白星をプレゼントした。

 一塁側ベンチを出た新庄監督は、両手を上げて拍手した。スタンドのファンも祝福の拍手で応える。初めてベンチで指揮を執って即、初勝利。「みんなが楽しくやってくれていることが一番うれしいね」。ナインの笑顔にビッグボスは思わず目を細めた。
 オープン戦初戦だった前日は、ベンチに入らず上沢に指揮を任せた。待ち望んでいたオープン戦開幕。宿舎のベランダで観戦したのには、理由があった。キャンプのテレビ中継に出演していたOBで評論家の岩本勉氏と、鶴岡慎也氏の新型コロナウイルス感染が判明。「俺もちょっと接触があったから、万が一のために違うところに、と思って」と大事を取っての自主隔離だった。

 満を持してのベンチでの采配初戦。勝利を運んだのは「新庄チルドレン」だった。1点リードの4回2死三塁、5番・今川が左翼場外へ特大2ラン。「オープン戦に懸ける思いは誰よりも強いと思っていた。めちゃくちゃ気持ちを入れて臨んだし、執念です」。2年目の外野手候補の一撃に、新庄監督はベンチで右手の「ビッグボスポーズ」をつくり、小指でタッチの出迎え。「完璧だった?」と声を掛けられた今川が「完璧でした!」と答えると「あれは気持ち良かったよな」と笑い合った。

 監督就任前から指揮官と今川は交流があった。JFE東日本時代の20年秋のドラフト直前、指名されるか不安を抱えていた今川は、インスタグラムでダイレクトメールを送った。「(ドラフトに)かかるように頑張るんじゃなく、(プロに)なるんだという気持ちで頑張れ」と返信が届いた今川は勇気をもらい、不安が消えた。その指揮官と同じユニホームを着る不思議な運命。この日は、大きな一発で初勝利を引き寄せた。

 24日。指揮官が呼んだ臨時コーチのハンマー投げ金メダリスト・室伏広治スポーツ庁長官から腰の回転など「いかにパワーを爆発させるか」を学んだ。指導を生かした一撃に今川は「あの飛距離は室伏長官のおかげです」と感謝した。

 細かな野手の交代や、ベンチから配球のサインも出した初采配。一つ一つの根拠を整然と説明した指揮官は「俺、頭いいでしょ?意外と考えています」と得意げに笑った。(鈴木 勝巳)

 ◇今川 優馬(いまがわ・ゆうま)1997年(平9)1月25日生まれ、札幌市出身の25歳。東海大四3年夏の甲子園に出場。東海大北海道4年春に首位打者を獲得した。JFE東日本では19年の都市対抗優勝に貢献し若獅子賞。20年ドラフト6位で日本ハム入り。1メートル77、86キロ。右投げ右打ち。

◇新庄監督の“初采配”

 ☆清宮1番 意図は「長打の打てる先頭打者」で「彼が1打席目にカーンって打ってくれたら、(勢いに)乗る選手、乗らない選手っていると思う。ツーベース(など長打)で乗っていける1番は好き」と説明。

 ☆ダブル上位打線 「4番は足の速い、6番は勝負強いという打順が好き」。さらに1~4番を下位打線でもつくりたいと近藤を8番起用。「(上位を過ぎた)安心感というか、そこでまた力ませる打順も面白い」

 ☆外野手・万波の三塁起用 スローイング矯正が狙い。「三塁を守らせてスローイングの勉強をさせている。一塁に小さくスナップで投げさせる練習をさせようと思っている」

 ☆守備の交代 9回1死一塁、カウント1―2の場面で二塁手を細川から佐藤に交代。「野球って新しい選手が守るとそこにボールが飛んでいくと昔から思っていて」と野球の格言通りに二ゴロを打たせて併殺を狙った。結果は中飛。

 ☆配球のサイン 8回1死満塁で末包(すえかね)の場面でベンチからフォークのサイン。見事三振。「意外とキャッチャー(のサイン)も俺が出しているから」

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