阪神・佐藤輝　進化の兆し“広角打法”　左翼にフェン直二塁打「しっかり打てたのでよかった」

オープン戦   阪神9ー4ヤクルト （ 2022年2月27日    浦添 ）

＜ヤ・神＞4回1死一塁、佐藤輝は村上（手前）の前で、フェンス直撃の左越え二塁打を放つ（撮影・椎名　航）
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　進化の兆しは、安打の打球方向にも表れる。4回1死一塁で迎えた阪神・佐藤輝の第2打席。育成右腕・小沢が投じた外角低めの直球にアジャストした打球は、左翼フェンスに直撃する二塁打となった。

　「しっかり角度が付くと長打になる確率も高いと思うので、いい傾向。風もあったので、あそこまで飛んだんじゃないかなと。ああいうボール（外角の直球）を逆方向にしっかり打てたので、よかった」

　まさに「広角の輝」だ。今春実戦9試合で放った14安打の内訳は、右方向が5、中堅方向が4、左方向が5。ダイヤモンドを広く使い、まんべんなく打ち分けていることが見てとれる。昨季はシーズン101安打のうち、半数を超える55安打が右方向だった。逆方向への打球は自身のバロメーターと常々話しており、中堅から逆方向への安打が増えている事実はプラス材料。本拠地・甲子園の浜風も味方に付けられる。

　昨季7打数無安打3三振と苦戦したヤクルトの先発・奥川とは、2回1死で22年初対戦。フルカウントから最後は外角低めの直球にバットは空を切った。「いいピッチャーというのは改めて分かった。シーズンでは打てるようにやっていきたい」。昨季の雪辱を果たすのは、シーズン本番を迎えてからだ。

　今春9試合で31打数14安打の打率・452とハイアベレージを記録し、今キャンプ中の全ての実戦を終了。「波も少ないし、一試合一試合同じ感じでいけたらなと。しっかり継続してやっていきたい」。2年目のさらなる飛躍へ、視界は良好だ。

　もちろん、首脳陣も成長の跡を感じ取っている。矢野監督からは「打てるボールを打つところはできているし、形としていい形ができていると思う」と及第点をもらった。実りのある沖縄キャンプはきょうで打ち上げ。対戦投手の格と調子がさらに上がる3月のオープン戦を見据える。（阪井　日向）