「魔法のフレーミング」で脚光を浴びるセガサミー・須田凌平が明かす極意「いい加減に捕る」「常に下から」

[ 2021年12月24日 08:17 ]

セガサミー・須田(撮影・木村 揚輔)
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 2021年度社会人野球表彰(主催・日本野球連盟、共催・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社、協賛・シチズン時計)の表彰式が22日、東京都千代田区のKKRホテル東京で行われた。セガサミー(東京都)の須田凌平捕手(29)は7年目で初のベストナインに選出させた。

 記者は11年から16年までNPB審判員を務めた。球審を務める際は捕手と「ストライクゾーン」の攻防で火花を散らした。捕手は「ボール!」とコールされないよう巧みにミットを動かす。その中でも中日・小田幸平捕手(現中日2軍バッテリーコーチ)の「フレーミング技術」は一級品だった。私は記者になった現在も、「いかにストライクに導ける捕球ができているか」と捕手を観察している。

 社会人野球最高峰の舞台で須田の「フレーミング」は輝きを放った。エース右腕の草海光貴投手(23)が「社会人で1位じゃないですか」と評価する「魔法のフレーミング」で球審は低めのストライクコールを連発。セガサミーの2年連続4強入りの影の立役者だった。

 社会人ベストナインの選出理由は高打率に加え「フレーミングのうまさ」とあった。高層階のホテルで行われた表彰式後に、スーツ姿の須田にフレーミングに関して直撃すると、「捕手の楽しい所、見せ所。試合を左右する1つの要因だと思います」と語った。

 特筆すべきは低めの捕球だ。須田は捕ってからミットを動かすのではなく、あらかじめ低く構えていたミットをストライクゾーンに動かしながら捕球する。「常に下から。ボールの半分より下を見るイメージで捕っています。そうすると、自然にミットが下から入って、不自然にミットを上げているようには見えない」と職人芸を明かした。

 「どうやったら球審がきれいに見えるか、投手が気持ちよく感じるかを常に意識しながらやってきました。個人的に思っているのは「いい加減に捕る」。「良い加減」ですね。一生懸命に捕るとガチガチになって柔らかさがなくなる。だから「良い加減」に捕っているイメージです」

 来年には30歳を迎えるベテランは「これから、まだまだ上手くなれると思う。もっとえげつない捕手になりたい」と笑顔を見せた。(柳内 遼平)

 ▼須田の21年公式戦成績 15試合 打率・324、0本塁打、6打点、4犠打。
 ▼須田が参考にする捕手 元MLB選手・タイラー・フラワーズ、元中日・小田幸平、中日・木下拓哉、元ヤクルト・古田敦也 
 ◇須田 凌平(すだ・りょうへい)1992年10月27日生まれ、千葉県出身の29歳。長浦中では市原ボーイズに所属。千葉黎明では甲子園出場なし。立正大を経て、15年からセガサミーでプレー。1メートル75、82キロ。右投げ右打ち。

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