広島・誠也 あの「神ってる」以来5年ぶりの3戦連発 復調気配も「状態が上がっているか分からない」

[ 2021年9月6日 05:30 ]

セ・リーグ   広島6-1ヤクルト ( 2021年9月5日    東京D )

<ヤ・広17>2回、ソロ本塁打を放ちナインに迎えられる鈴木誠(撮影・島崎忠彦)
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 広島・鈴木誠也外野手(27)が5日のヤクルト戦で決勝22号ソロを放ち、6日ぶりの最下位脱出へ導いた。3試合連発は16年に2度記録して以来、5年ぶり3度目だ。援護を受けた床田寛樹投手(26)は7回1失点と好投するなど投打がかみ合った。

 16年に3試合連続で決勝弾を放った鈴木誠は「神ってる」と呼ばれて周囲を驚かせた。5年ぶりに3戦連発を放つと、もう誰も驚かなくなっていた。2回先頭で1ストライクからの田口の高め直球を叩いて左翼席まで運んだ。先制の22号ソロは2戦連続の決勝弾。「制球がいい投手なので甘いところには来ない。打てるところを振ろうと思った。打てたので良かった」。周りの反応と同じく本人も至って冷静だった。

 16年は3試合連発を2度マーク。25年ぶりのリーグ優勝に貢献し、「神ってる」は流行語にもなった。それでも当時から「“神ってる”と言われないように実力で結果を残したい」と口にしてきた。そして、侍ジャパンの4番にまで成長。願い通りに実力は高く評価されながら、自己評価は5年前と大きくは変わっていないと言う。

 「僕自身は変わらないし、やることも変わらない。記者の人だとか世間は過大評価するけど、自分のことを凄いとも思わない。プロに入って一日一日必死にやっているだけ」

 定位置をつかもうとしていた当時を思い返すように、今季高卒3年目の林には「初球から振れないと調子が下がってくるよ」と伝えた。その助言は、いまもなお自身が痛感するレギュラーの難しさでもある。リーグ戦再開直後は鈴木誠も積極性を欠き、一時10打席連続で第1ストライクを見逃すなどタイミングが合っていなかった。

 今回の3連戦は11打数7安打と復調気配を見せた。この日の一発は、初球をファウルし、2球目を捉えたもの。「数多く自分のスイングができるようになってきたけど、状態が上がってきているかは分からない」と冷静ながら、取り戻した積極性が状態が上向いていることを示している。

 「そんなに簡単に打てないのはいまも変わらない。毎年どうなるか分からない。僕自身はずっと変わらない」

 打撃を極めようとする姿勢は、神っていた頃もいまも同じである。(河合 洋介)

 ▽鈴木誠(広)16年の3試合連続本塁打 6月17日のオリックス戦で初のサヨナラ弾を放つと、翌18日に球団32年ぶりの2試合連続サヨナラ弾。緒方監督は「神がかってる。今どきの言葉で言うなら“神ってる”よな」と表現した。19日の3戦目でも同点の8回に決勝弾を放った。8月31日DeNA戦から9月2日ヤクルト戦にかけても3戦連発。25年ぶりのリーグ優勝に貢献し、「神ってる」は「ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞を受賞した。

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