エンゼルス・大谷“鉄人”だ43号!打球も当たった登板翌日の一発にマドン監督「畏敬の念」

[ 2021年9月6日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4ー1レンジャーズ ( 2021年9月4日    アナハイム )

<エンゼルス・レンジャーズ>6回無死一、二塁、大谷は右中間へ3ランを放つ(撮影・沢田 明徳)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)は4日(日本時間5日)、レンジャーズ戦に「2番・DH」で出場し、6回に右越え3ランを放ち、メジャー単独トップの本塁打数を43に伸ばした。4試合ぶりとなるダメ押しの一発でメジャー通算90本塁打とした。今季は登板翌日に18試合出場し、9本と量産。2本塁打で40本に乗せたペレス(ロイヤルズ)に3本差とした。

 全米を驚かせたのはもう何度目だろう。打った瞬間、大谷はスタンドインを確信していた。6回、4点差に広げる43号3ランを右翼席へ。飛距離426フィート(約130メートル)の一発に、ジョー・マドン監督がまくし立てた。

 「今起きていることを理解しないといけない。117球も投げれば翌日はどこか体が痛いもの。そんなそぶりは全く見せない。このパフォーマンスを見逃さないでほしい」

 9勝目を挙げた前夜はメジャー4年目で最多となる117球を投げていた。102マイル(約165キロ)の鋭い打球がワンバウンドで右手の指先と肩に当たるアクシデントもあった。それでもマドン監督が、この日の打者出場の意思を確認すると「プレーしたい」と迷わずに訴えたという。

 これで登板翌日の試合は、18試合で9発と“本塁打率”5割。打率・311も、それ以外の状況を上回る。投手では6月から8連勝中で、翌日の打棒に好影響をもたらしている。連続試合出場記録を樹立し「アイアンホース(鉄の馬)」と呼ばれたルー・ゲーリッグ、「アイアンマン(鉄人)」の称号を得たカル・リプケンら、メジャー史を彩る鉄人伝説に大谷も加わった。

 9月は初アーチで、13打席連続無安打とバットは湿っていた。8月も今季ワーストの打率・202、5本塁打、8打点。だが打球速度107・2マイル(約172キロ)の3ランに続き、8回も105・4マイル(約170キロ)の右前打。2打席続けて105マイル超えのハードヒットは、6月29日のヤンキース戦での2打席連発以来である。

 投手側へ流れることが多かった重心が軸足に残り、鋭い回転で打ち返す本来の姿が戻ってきた。安打後には初球に二塁へスタート。勢い余ってベースを離れてセーフの判定がアウトに変わったが、攻撃的に仕掛け続けた。

 本塁打王争いで猛追するペレスはこの日2発で40本の大台に乗せ、2本差に迫られていた。すぐさま3本差へ突き放す一発。本拠地では今季25本目で00年にトロイ・グラースが樹立した球団記録を更新し、年間51本ペースとした。「全ての監督、選手が彼のことを口にし、畏敬の念を抱いている」とマドン監督。鉄人二刀流伝説の最終章へ、再加速の気配が漂ってきた。(笹田幸嗣通信員)

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