センバツ初の“東海大対決”は相模の勝ち!甲府に昨秋の雪辱 延長11回、大塚主将が決めた

[ 2021年3月21日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第2日第3試合 1回戦   東海大相模3ー1東海大甲府 ( 2021年3月20日    甲子園 )

<東海大甲府・東海大相模>延長11回、勝ち越し適時打を放つ東海大相模・大塚(中央)。投手は若山(撮影・成瀬 徹)  
Photo By スポニチ

 意地と意地がぶつかった。1回戦3試合が行われ、東海大相模(神奈川)は東海大甲府(山梨)と対戦。センバツ史上初の東海大系列校同士の戦いを延長11回の末に3―1で制し、昨秋の関東大会準々決勝で敗れた相手にリベンジを果たした。主将の大塚瑠晏(るあん)内野手(3年)が11回に決勝打を放ち、左腕エースの若山恵斗投手(3年)を攻略した。

 明大ラグビー部の代名詞と重なった。東海大相模のリベンジへの秘策は「前へ」――。昨秋の関東大会準々決勝。東海大甲府のエース若山が鋭角的に投げ込む左腕特有のクロスファイアに手を焼き、5安打1得点で逆転サヨナラ負けを喫した。

 約半年後、センバツ1回戦で同じ相手との再戦。打席に入った全選手は、若山に対し、投手寄りに立った。

 門馬敬治監督「去年は後ろ(捕手寄り)に立っていたが、若山君は横の幅を使う投手。(投手寄りに立って)その角度を消したかった」

 昨秋と同じようなロースコアの展開。1点リードを8回に追いつかれ、迎えた延長11回。1死二塁から大塚主将が5度目の打席に立った。足場は、投手寄り。3球目の低め直球に両腕を伸ばし、食らいついた。前に立った分、バットが届いた。打球は一、二塁間を破り、決勝点が入った。

 大塚「凄くいい投手。対策は練習でもしていた。(打球は)捉えきれた当たりではなかったので、とにかく抜けてくれと思って走った」

 例年は開幕1週間前に行われる組み合わせ抽選が、今年は前倒しとなり2月23日に相手が決まった。若山攻略に時間を割き、練習試合でも左投手に対する打撃をテーマにした。「(冬は)チームでは1日1200本を目標にして、数えてやってきた」と大塚。振り込んだ成果が、甲子園で結果に結びついた。

 選出されていた昨年のセンバツはコロナ禍で中止になった。卒業する先輩からは、前夜にLINEで「頑張れよ」とメッセージが届いた。「(1学年上の)3年生の分も全力でプレーしたいと思った」と、背中を押してくれた先輩に感謝した。

 9安打3得点で若山に雪辱を果たし、センバツ史上初の東海大系列校対決を制した。「前へ」。シンプルな対策は効果抜群だった。(川島 毅洋)

 ▽秋季関東大会準々決勝 東海大甲府の若山、東海大相模の石田隼都の両エースによる投手戦となった。6回に東海大相模が1点を先制し試合は1―0で9回に突入。東海大甲府が好投を続ける石田から1死一、二塁の好機を築くと、5番・久井竣也の打球は右前で弾み、右翼手頭上を越えるサヨナラ打。東海大甲府が2ー1で熱戦を制し4強進出、センバツ出場を確実にした。

 ≪夏も1度だけ 1983年に東海大一VS東海大二≫東海大系列校同士の甲子園での対戦は、過去に1度だけ。1983年夏に東海大一(現東海大静岡翔洋)と東海大二(現東海大熊本星翔)が1回戦で対戦し、東海大一が13―1で大勝した。

 ≪春24勝は神奈川勢最多≫東海大相模が初戦を突破。センバツ24勝は並んでいた早実、横浜を抜いて、箕島と並ぶ15位に浮上した。24勝は神奈川県勢最多の勝利数。今大会で優勝すれば春28勝で日大三(東京)の27勝を上回り、関東勢トップとなるがどうか。

 ▼巨人・原監督(東海大相模OB)両軍死力を尽くし、やや上回って相模が勝ったというところでしょう。先輩(東海大甲府・村中監督)が後輩(東海大相模・門馬監督)に花を持たせたわけですよ(笑い)。

続きを表示

2021年3月21日のニュース