巨人 制限下の知恵が生んだ“新鮮な面白さ” 少ない人数で利点も

[ 2021年2月16日 05:30 ]

ノックを受ける坂本(撮影・光山貴大)
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 【新様式キャンプリポート最前線】コロナ下のキャンプからはファンの姿が消え、歓声も聞こえてこない。例年とは様変わりした風景に寂しさも漂うが、決して悪いことばかりではない。感染予防の観点から那覇市で分離キャンプを行っている巨人のS班は状況に応じた工夫を凝らしていた。

 7日。石井野手総合コーチが現地スタッフとして働く学生たちに外野を守らせ、ノックを打っていた。たまたまグラウンドに出てきた元木ヘッドコーチは「何これ?どうした?今からトライアウトでもやるつもり?」と冗談めかしていた。

 その2日後、実戦的な走塁練習が行われた。石井コーチが外野に打球を打ち、選手たちは走者一、二塁から本塁を狙った。練習を積み、内外野を守った学生たちも真剣だ。炭谷を本塁で憤死させた際には「おぉ~!」と力強い声も飛んだ。

 分散したキャンプのため選手の人数は限られるが、補うために入念な準備をしてスタッフも練習に参加。選手からは「新鮮で面白かった。チームの野手陣とは違うから肩の力も分からないので、こちらも真剣になる」と好意的な感想が漏れた。

 他にも打撃練習を終えた坂本が一人、サブグラウンドで黙々とノックを受け続ける日も目立った。人数が少ないからこその利点。坂本は「自分の練習に集中して過ごせている。本当にいい調整ができているなと思います」と恩恵にあずかっている。

 置かれた状況下で知恵を出し合いながら、シーズンに向かっている。宮崎から沖縄に入った原監督率いる本隊はきょう16日からS班に合流。コロナに負けない思考を巡らしたキャンプが続く。(遊軍・川手 達矢)

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