能見 オリックスが投手兼任コーチで獲得、若手へ「何か感じてくれたら」

[ 2020年12月9日 05:30 ]

<能見入団交渉>オリックスとの入団交渉のため、青濤館を訪れた元阪神の能見篤史(撮影・井垣 忠夫)
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 オリックスは8日、今季限りで阪神を退団した能見篤史投手(41)を投手兼任コーチで獲得したことを発表した。年俸3500万円の単年契約で背番号26に決まった。

 能見は8日午後に大阪・舞洲の球団施設を訪問して福良淳一GMらと初交渉した。「非常にありがたい話です。行き場がないところからの状況だったので」。現役選手としては異例のブルペン担当コーチ兼任のオファーも受け入れ、入団を即決した。

 能見の現役続行への強い意思と、救援左腕を補強課題とするオリックスの思惑が合致。交渉後には居合わせた中嶋監督と対面し、「“まずは選手として、やってくれたらいい”と言っていただいた」と振り返った。

 貴重な戦力と同時に、指導力にも期待が懸かる。阪神時代から岩貞や梅野ら後輩に助言を惜しまず慕われた。世代交代が進むチームにとって若手の手本としての役割も担えるだけに兼任コーチは適任と言える。ブルペン担当を予定し、同GMは「選手として比重を置いている。監督や他のコーチでサポートする」と説明。登板時は飯田大祐ブルペン担当補佐が代役を務める見込みだ。

 「若い選手が多いので、僕の経験だったりも求められていると思う。口数が多い方ではないが、姿勢や行動を見て何かを感じてくれたら」。通算104勝を誇る41歳能見の経験値と、19歳宮城らの豊かな将来性が低迷するオリックスに化学反応を起こしそうだ。
(湯澤 涼)

 ◆能見 篤史(のうみ・あつし)1979年(昭54)5月28日生まれ、兵庫県出身の41歳。鳥取城北から社会人の大阪ガスを経て04年ドラフト自由枠で阪神入り。09年は先発に定着して13勝。12年に172奪三振で初タイトル。13年WBC日本代表。通算443試合で104勝93敗2セーブ、防御率3・34。1メートル80、74キロ。左投げ左打ち。

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2020年12月9日のニュース